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【柔道】右膝前十字じん帯痛め新たに磨いた「担ぎ技」、対応力に優れた永瀬―上水研一朗の目

[ 2021年7月28日 05:30 ]

東京五輪第5日 柔道男子81キロ級 ( 2021年7月27日    日本武道館 )

男子81キロ級決勝、延長でモンゴルのサイード・モラエイ(上)から技ありを奪い、優勝した永瀬貴規
Photo By 共同

 かつて永瀬の武器は、大内刈りや内股といった得意の足技に入るまで、相手を追い詰めていく「追い足」だった。ボクサーが相手をロープに追い詰めていく技術と例えれば分かりやすいだろう。しかし、右膝の前十字じん帯を痛めたことで、フットワークは変化。代わりに磨いた武器の一つが、左引き手の握りの強さだった。

 この日は初戦からシード選手と対戦する厳しい組み合わせだったが、右の釣り手を切られても、左の引き手は離していなかった。相手を制御し、技を封じて、体力も削っていく命綱ともいえる引き手。序盤は劣勢でも、徐々に形勢は逆転し、準決勝は背負い落とし、決勝は体落としという、これも新たに磨いた「担ぎ技」で仕留めている。今の体の状態でどうやったら勝てるか、本当に考え抜いた柔道だったと思う。

 日本が苦戦してきたこの階級は世界の競技人口が多く、スピード自慢からパワー自慢まで異なるタイプがクロスオーバーする。自分の柔道をするだけでは勝ち抜けない。相手に合わせた対応力も、永瀬の武器の一つだったと言える。(東海大体育学部武道学科教授、男子柔道部監督)

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