【ソフトボール】他の投手を信じた上野 無失点の後藤は次代のレガシーに―宇津木妙子の目

[ 2021年7月28日 05:30 ]

東京五輪第5日 ソフトボール決勝   日本2ー0米国 ( 2021年7月27日    横浜 )

<日本・米国>6回、好救援を見せた後藤(撮影・北條 貴史)
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 上野、山田、峰という北京五輪の金メダルメンバー、山本や藤田らの中堅選手、さらに後藤らの若手。がっちりかみ合って、最高の舞台で最高の相手を倒したこと、本当に良かった。北京と同様、テレビ解説で絶叫してしまった私は反省しているが、本当にいいチームになったと思う。

 上野は試合序盤から難しいコースをつき過ぎ、球数が気になっていた。北京時より落ちたとはいえ、まだまだ球威もある。早めに勝負すべきだと思っていた。だが、北京とは異なり、一人で投げ切ろうとは考えていなかった。自分の力と相手の力を冷静に比較した上で、後藤や藤田という他の投手のことも信じて、球数関係なく「絶対に負けない」という内容を選んだのだろう。本当に凄い投手だと再確認した。

 上野からマウンドを託され、最終回に上野を送り出した後藤は、今大会無失点。次代の日本へのレガシーになるだろう。6回、ピンチの場面で併殺を奪った三塁手・山本と遊撃手・渥美の連係した美技。藤田の本塁打性の打球をつかみ取った米国の左翼手リードの好捕は、見ている人にソフトボールの魅力を存分に伝えてくれたと思う。そして、両チームの選手と指導者に心から「ありがとう」と伝えたい。(元日本代表監督)

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2021年7月28日のニュース