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【生島ヒロシ オヤジの処方箋】加齢黄斑変性 目タボ対策方法“色々”

[ 2019年4月10日 12:00 ]

生島ヒロシ
Photo By スポニチ

 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(68)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。昨年4月の連載スタートから1年が経過しました。今回は50代から急増する目の疾患「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」。聞き慣れない病名ですが、いずれ日本人の失明原因1位になると言われている怖い病気です。

 皆さん、こんにちは。生島ヒロシです。新元号が「令和」に決まりましたね。いい響きです。アナウンサーとしては「ら行」が入った言葉はなかなか言いにくいんです。新人時代「られりるれろらろ」と発音特訓したのを思い出しました。

 さて、この連載も1周年を迎えました。第1回が「緑内障」。今回は初心に戻って?同じく目がテーマです。

 加齢黄斑変性。一見、目の病気という感じがしないかもしれません。実はこれ、欧米では失明原因の第1位なんです。平成19年度の厚労省の調査では、日本では4位。でも眼科医の間では「将来的には1位になる」と言われているんですよ。詳しくは後述しますね。

 昨年2月、緑内障の手術を受けました。右目です。ずいぶん調子が良かったんですが最近、また右目がおかしいなって思うときがあるんです。でも緑内障のバロメーターとなる眼圧は安定。緑内障のときとは違った感じなんです。スタジオでカンペ(読む文字が書かれたボード)が見えにくかったりとか。妻の60代の友人が加齢黄斑変性になったこともあり、私も気になってはいるんです。

 【原因】文字通り加齢です。年を取ることにより、網膜の中心部にあり、ものと色の識別に最も重要な黄斑に障害が生じて視力が低下していくのです。加齢黄斑変性には「萎縮型」と「滲出(しんしゅつ)型」の2種類があります。萎縮型は、網膜の下に、脂肪分やたんぱく質が分解されずにたまっていって、視細胞や網膜色素上皮細胞がダメージを受けます。一方の滲出型は、脈絡膜という組織から新しい異常な血管が発生。そこから血がにじんだり、血管が破裂。その結果、網膜が正常に働かなくなるのです。萎縮型がゆっくり進行するのに対し、滲出型は進行が速い。私がお世話になっている二本松眼科病院(東京都江戸川区)の眼科専門医、平松類先生によると、日本人の8~9割はこの滲出型だそうです。欧米のような高脂肪食も大きな要因です。食が欧米化した日本でいずれ失明原因1位になると言われているのはこのためです。ほかには喫煙、糖尿病、高血圧、日光にさらされ続けることも原因です。

 【検査】おかしいと思ったら専門医に行くべきですが、日常の予防としてできる簡易チェック「アムスラーチャート」というものがあります。トライしてみてください。

 病院では視力検査と眼底検査が行われます。眼底検査とは瞳孔から光を当てて網膜や新生血管の状態を確認すること。通常はこの2つの検査で診断が下ります。

 【治療】滲出型では、硝子(しょうし)体注射と呼ばれる眼球への注射です。薬が新生血管に作用します。視力が回復する例が多いですが、薬の効果は1、2カ月。繰り返し注射が必要になります。ほかに、光に反応する薬を静脈から注射しレーザーを当てて新生血管を詰まらせる方法や、新生血管そのものをレーザーで焼く治療もあります。萎縮型には現在、有効な治療法がありません。経過観察となります。

 【予防法】平松先生は「早期発見ならいくらでも助けられます。治療すれば9割は悪化しません」と言います。

 まず禁煙しましょう。喫煙は加齢黄斑変性との因果関係が数多く報告されています。

 欧米型の食事の影響が指摘されていますから、食生活の改善も必要です。加齢黄斑変性は黄斑に脂肪が蓄積して起こることから“目のメタボリックシンドローム”と言われることもあります。高脂肪食は避け、糖尿病や高血圧の持病がある人はしっかりコントロールしましょう。

 食事でキーとなるのは「ルテイン」です。聞いたことあるでしょう?ルテインは黄色い天然色素。黄斑に存在しているんですが、加齢で減少していきます。平松先生によると、減ってくると加齢黄斑変性になりやすいとのことです。サプリメントもたくさん売られてますが、どうせなら食事で取りましょうよ。平松先生が薦めるのがホウレンソウ。野菜の中で一、二を争うほどルテインが豊富。含有量は100グラム中10・2ミリグラムで、ブロッコリーの5倍以上というデータもあります。おひたしにして、げんこつの4分の1くらいの量を毎日取るといいんですって。これくらいの量なら無理なく続けられそうですね。とにかく色の濃い緑黄色野菜がいいそうです。ケールとかゴーヤーとか。

 太陽光にさらされ続けるのもNG。紫外線が悪いのです。サングラスをかけましょう。かっこつけてるみたいで敬遠されがちですが、そんなこと言っていられませんよ。似合うのを1本選びましょうよ。ここで注意点が一つ。平松先生いわく、レンズがあまりにも黒いと暗くなり過ぎて、ものを見るために瞳が開いてしまう。かえって紫外線が入りやすくなってしまうんですって。レンズがUVカットなら、だて眼鏡でもいいそうですよ。

 あとパソコン、スマートフォンの画面から発せられるブルーライトも大敵です。黄斑変性症の発症リスクを上げる可能性があると指摘されてますから。ブルーライトをカットするフィルムなどを使いましょう。ブルーライトをカットするアプリも出回ってますよ。

 目からは80%の情報が入ってくると言われています。50歳を過ぎたら定期健診しましょう。私も行くようにします。というのもショーケン(萩原健一さん)が亡くなったのがショックで。同い年だったので。健康を自任していますが緑内障もやったし、帯状疱疹(ほうしん)にもなりました。この年になったらメンテナンスは必要です。まずは目。新元号へ視界良好!といきましょう。

 ◆生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の68歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。

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