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【橋本マナミ 恍惚のグルメ】無性に欲しいの 強くて繊細癒やしの味

[ 2018年7月11日 12:00 ]

肉そば(冷)を味わう橋本マナミ (撮影・西川祐介)
Photo By スポニチ

 時々、無性に食べたくなる料理ってありませんか?私の場合は山形名物の「肉そば」です。地元・山形に本店がある東京・大手町の「桃山 大手町店」には、私のふるさとで愛されている味があります。力強い鶏だしが一番おいしくなる温度で出される冷たいおそば。ぜひ皆さんにも食べていただきたい一杯です。

 はためく「山形 肉そば」ののぼりが、都会のオアシスのように見えてきます。

 日本を代表するオフィス街で、サラリーマンが行き交う通りにある「桃山 大手町店」。ここが私の行きつけのお店です。

 いつも注文するのは「肉そば(冷)」(600円)。同じ値段で温かいのもあるけど、山形では冷たいのが一般的。私も冬でも冷たい方を食べます。暑い夏はより一層おいしく感じます。

 そばは白くて品のある更級もいいけど、コシが強くて、黒くて、硬いのが大好き。そんな私のストライクゾーンにバッチリはまる自家打ちそば。かむごとにそばの香ばしい香りが口の中に広がるんです。お店のスタッフさんに聞くと、山形産のそば粉にそばの実を練り込んでいるそうです。だからこの風味が出てくるんですね。

 スープはそばの味、だしの味が引き立つのにちょうどいい温度で提供されます。鶏だしが前面に出ながらも、昆布と鰹(かつお)だしが絶妙なバランスで効いていてまろやか。冷た過ぎないので、鶏の脂が固まることなく、深い味わいがより引き出されるんです。鶏肉とネギだけのシンプルな具は、歯応えがある鶏肉がいいアクセントになっています。

 まさに強くて繊細。疲れた時に癒やしてほしいのはこんな男性。だからきっと時間がたつとまた会いたくなるんですね。

 山形の肉そばは昔、おそば屋さんでお客さんが、おつまみにしていた馬肉の煮込みをそばにかけてみたらおいしかったので、馬肉を具にした汁そばが広まったことがきっかけとか。戦後になって、馬肉が手に入りにくくなると、鶏肉が使われるようになったそうです。スープが冷たいのは、肉そばの鶏肉をつまみにして飲んだ後、具の下のそばを食べていたので、お酒を飲んでいる間に、そばがのびないようにしたという説があります。そしてその後、いろいろなお店で工夫されて、地元で愛されているんです。

 「桃山」では「肉そば」のほかに、昆布と鰹だしのしょう油ベースの温かいつけ汁で食べる「鳥つけそば」(600円)も人気。揚げ玉、甘辛く味付けした鶏肉、ラー油が入っていてピリ辛な汁がよくそばに絡みます。「カレーつけそば」(同)は温かいつけ汁のカレーに10種類以上のスパイスを使っていて、スパイシーでこちらも好きです。

 かつて東京を砂漠と歌った歌もありました。私は都会の生活に乾いた時、コシとコクが強いおそばでパワーチャージしていきます。

 ◆桃山 大手町店 東京都千代田区内神田1の4の2、ポイントビル1階。(電)03(5244)5485。地下鉄大手町駅から徒歩5分、JR神田駅徒歩7分。営業は午前11時〜午後4時(ラストオーダー午後3時30分)、夜は午後5〜10時(ラストオーダーはフード午後9時、ドリンク午後9時30分)。定休は土、日曜、祝日。祝日のあった週の土曜はランチのみ営業。山形県東根市に本店がある。ほかに東京・六本木店、静岡・熱海店。

 ◆橋本 マナミ(はしもと・まなみ)1984年(昭59)8月8日生まれ、山形県出身の33歳。次期NHK連続テレビ小説「まんぷく」にレギュラー出演決定。NHK土曜時代ドラマ「そろばん侍 風の市兵衛」出演中。1メートル68、B86・W60・H88。

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