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【さくらいよしえ きょうもセンベロ】オシャレスポットに“昭和のオアシス”

[ 2018年5月11日 12:00 ]

温かみのある店内の様子
Photo By スポニチ

 東京・六本木。現代を象徴するおしゃれスポット、ミッドタウンの麓に昭和の香りが漂うオアシスを発見!センベロライター・さくらいよしえが腰を据えたのは「三州屋六本木店」。名物女将との漫才チックなやりとりについ酒も進む。

 昼から通し営業の午後3時、のれんをくぐると福々しい女将が甘夏を食べていた。

 創業40年、町で噂の看板娘である。

 「三州屋」は愛知県発祥の名門居酒屋で、のれんわけした店が都内にはいくつかあるが、中でも当店は、いろんな意味で異彩を放っていた。

 女将の上京物語は昭和39年にさかのぼる。「愛知の実家に、東京で働く人はいませんかって三州屋から誘いがあってね。都会には人さらいがいるからダメだなんて言われたけど都会に憧れてたから、ハイ!行きますって」

 花の都でウエートレスとして活躍し、20歳の頃、そろそろ退職したいとオーナーに申し出る。

 すると「いい人がいるよ」と板前として働いていた今の大将を紹介され結婚。のちに夫婦でのれんをもらい独立開店するという、まさに揺りかごから墓場までの職場だった。

 そんな女将と大将が築き上げたお城は、アットホームそのもの。

 ヒノキの一枚板の卓上には、「サービスです」と書かれた生卵に自家製ドレッシング、海苔(のり)の佃煮(いただき物)などが実家の食卓のごとく並ぶ。

 ◇三州屋六本木店 もとは六本木交差点、アマンド裏で営業していた同店。その頃からの常連客も多い。目当てはおちゃめな女将の林二女子(ふめこ)さんだ。昼の定食も人気。刺し身、ブリ照り焼き、カレイ煮、肉豆腐などがある。午前11時半からの通し営業。昼から飲める店だがランチタイムは混雑するので昼飲みは午後2時以降が無難。東京都港区六本木4の4の6。(電)03(3478)3796。営業は午前11時半から午後11時半。日曜日は午後4時から11時半。年中無休。

 ◆さくらい よしえ 1973年(昭48)生まれ、大阪出身。日大芸術学部卒。著書は「東京★千円で酔える店」(メディアファクトリー)、「今夜も孤独じゃないグルメ」(交通新聞社)「きょうも、せんべろ」(イースト・プレス)など。

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