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【阪神のV逸検証(2)】チーム直撃コロナ禍 反撃の機運しぼんだ

[ 2020年11月4日 05:30 ]

矢野阪神2年目の光と影~猛虎に何が起こったか

コロナ騒動の責任をとり謝罪、辞任する阪神・揚塩球団社長

 「シーズン途中に移籍してきた選手のために歓迎会を開く」

 「チームを陰で支えるスタッフに食事で慰労する」
 
 いずれもグラウンド外での心温まるエピソードだ。昨年までならば―。9月25日に発覚した球団内規を破る会食に参加した複数選手の新型コロナウイルス感染。福留、糸原、岩崎、岩貞ら主力を含む一挙10選手が出場選手登録を抹消され、奇跡の逆転優勝への機運は完全についえた。
 
 選手の認識の甘さ、球団管理の緩さが招いた2度の“コロナ禍”は、戦力面はもちろんチームのイメージダウンにもつながった。まずは3月27日。藤浪、伊藤隼、長坂の3人が球界初の感染者となり、早期開幕を模索していた球界全体の動きに水を差した。阪神は自球団から感染者が出たことで、即時休止した活動の再開にも慎重にならざるを得ず、自主練習がスタートしたのは4月15日。シーズンに入るルーティンが確立していたベテラン陣には特に大きな調整のズレとなり、福留、糸井、藤川らが開幕から不振に陥った。
 
 再度、激震が走ったのが9月25日。同19日の名古屋遠征中に「最大4人」という内規に違反する8人で会食した福留らの中から、糸原、陽川、岩貞、スタッフ1人の感染が判明。別の店で「同ポジションは極力控える」というルールを守らず会食した4選手からも馬場、浜地が陽性判定を受けた。会食に参加した選手は、陰性でも全員が濃厚接触者、球団独自の濃厚接触者扱いとなり、戦線離脱。10月5日に鳴尾浜球場で自主練習が許可された際には、福留が「1番しっかりしなければいけない立場でルールを破ってしまった。本当に申し訳ない」と代表して謝罪した。
 
 10月9日には2度も複数感染者を出した管理責任を取る形で揚塩健治球団社長が11月末限りでの辞任を発表。「3月に続いて、2度に渡って球界全体にご迷惑をかけた事実は否めません。いろいろな混乱を招いた最終的な責任者は私。私なりのけじめのつけ方としてご理解いただければ。申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げて事態の収束を図った。ただ、その後も一部夕刊紙が矢野監督が夏場に大人数で会食していたことを報じ、指揮官自らが「球団の許可をもらっていたとはいえ、自覚の甘さ、認識の甘さがあった。申し訳ない」と謝罪。騒動は収まらなかった。
 
 2度目の集団感染が発覚した9月25日時点で首位・巨人と11・5差の2位。すでに優勝は絶望的だったが、その後は「少しでも追い上げる」とか「最後まで諦めない」という言葉でさえ、はばかられる雰囲気となった。自業自得と言われても仕方がないとはいえ、コロナの影響を1番受けた球団となってしまった。
  (山添 晴治)

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