美馬学の場合は「援護率」とは「愛され度」なのかもしれない

[ 2020年9月29日 08:30 ]

ロッテ・美馬
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 【君島圭介のスポーツと人間】NPBの公式記録ではないが、投手が9回を投げたと仮定したとき、どれくらい打線の援護点があるかを換算する「援護率(または得点援護率)」という指標がある。

 今季ロッテに移籍した美馬は、この援護率が抜群に高い。この数字は計算方法に統一ルールがないため、結果に多少のばらつきは出るが、美馬の今季登板14試合での援護率は「7・45」。同じ14試合を投げた楽天・涌井の「7・04」を上回り、先発投手として27日時点でリーグトップに躍り出た。

 この援護率は投げている間に打線が何点取ってくれたか、が基準となる。美馬が完投するとすれば1試合で平均7・45点の援護がもらえる。これは凄い数字だ。

 リズムのいい投手ほど、味方打線が気持ちよく打ってくれると言われる。27日のソフトバンク戦で美馬の投球間隔を計測してみた。捕手から返球を受け、サインを交換し、打者に投げるまでにかかったタイムは、走者なしの場面で18秒前後。走者を一塁に置いた場面では25秒前後を要している。ちなみにソフトバンクの先発だった二保は走者なしで15秒前後、一塁に走者がいても20秒前後と、決して美馬のテンポがいい訳ではない。

 球数に関しては3回までに33球と少なかった。同じ日に中日戦に先発した巨人・戸郷は3回までに51球を要した。この日に関してはストライク率の高さが打線のリズムを生み出したとは言える。ただ、美馬の援護率の高さを呼び込んでいる最大の要因は、ベンチでの姿勢だと確信している。

 ソフトバンク戦を5回で降板した美馬はベンチの一番前列で戦況を見守り、味方の安打を派手なアクションで喜び、イニングを抑えた中継ぎ投手を真っ先に出迎えて笑顔でねぎらっていた。それは楽天時代から見慣れた姿だった。

 中大の3年後輩に当たる井上は美馬の登板した試合で打率・375、4本塁打、16打点と打ちまくり、「(美馬)学さんが投げてるから助けたい」と公言する。実は援護率とはそういう人間味があるデータなのではないだろうか。新天地でも勝利を積み重ねる美馬を見ていると、そう思う。(専門委員)

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