心優しい元気印 巨人・田中貴也という男 金銭トレードで楽天へ

[ 2020年9月29日 14:25 ]

巨人の田中貴
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 巨人は29日、田中貴也捕手(28)のトレード移籍について、楽天と合意したと発表した。交代要員はなく、金銭トレードとみられる。

 心優しい元気印。それが、田中貴の印象だ。コロナ禍で開幕が延期していた5月、「母の日」を前に感謝の気持ちを表現している。京都出身で、沖縄の八重山商工に野球留学した高校時代は寮生活を送っていた。3年時に母が仕事を休職して寮母を務めていたという。「家庭も顧みず僕のために1年間、寮母さんをしてくれました。同級生にも自慢の母でした」と話した。寮での人気メニューはオムライスとナポリタン。今でも感謝の心を胸に、ジャイアンツ球場で汗を流していた。

 田中貴は山梨学院大を経て、14年育成ドラフト3位で入団し、17年7月に支配下登録された。18年に1軍初出場も代打の代打を送られ、打席には立たなかった。昨季は8月29日広島戦で守備につき、実質的なプロ初出場だった。

 過去に1軍の秋季キャンプに参加。とにかく振り込むメニューの中で、大声を出しながら行うティー打撃はファンの間で名物となっていた。毎日約10時間の練習で、手はマメだらけになったが、誰よりも声を出していたのが印象的だ。沈み込んで振り上げる打撃フォームから「潜水艦打法」とファンから呼ばれている時期もあった。

 巨人の1軍捕手は、大城、炭谷、小林と競争が熾烈(しれつ)。3年目の岸田の成長もあって、今季は2軍生活が続いていた。新たな環境の新天地で、活躍を願いたい。

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