【惟任貴信 研球】阪神PJを支える「原点」

[ 2019年8月23日 10:15 ]

セ・リーグ   阪神8-0DeNA ( 2019年8月22日    京セラD )

<神・D21>8回から登板したジョンソン(撮影・井垣 忠夫)
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 結果的に阪神の圧勝に終わったが、実質的に試合が決まったのは3点リードの8回だった。DeNA打線は筒香、ロペス、佐野の2、3、4番。いずれも一発がある怖い3人の前に、阪神・ジョンソンが仁王立ちした。圧巻の3者連続空振り三振で今季35ホールド目を記録。追いすがる相手に引導を渡した。

 今季も残すところ、27試合。最も重要なのは当然、順位争いだが、個人成績の行方が気になる時期でもある。阪神では目下、ドラフト1位・近本が25盗塁で「盗塁王」のタイトルを狙える位置に付けている。そして、もう一人の「新戦力」も、リーグトップを突き進んでいる。ジョンソンだ。

 目下、リーグトップの37ホールドポイント(22日終了時点)。12球団随一の防御率を誇るリリーフ陣の屋台骨として「最優秀中継ぎ投手」へ歩みを進めている。ところで、この安定感抜群のジョンソン、練習を見ていると、周りと違う動きをする。それが以前から気になっていたのだが、なかなか紹介する機会に恵まれないままだったので、今回、紹介する。

 それはキャッチボールの動きだ。投手陣のキャッチボールは基本的に、試合でマウンドから投げるように静止した状態から軸足一本で立ち、相手にボールを投じる。野手と同様だ。だが、ジョンソンは違う。静止した状態から助走をするかのようにステップを踏んで、ボールを投じるのだ。球団関係者に聞くと「マウンド上でも反動を付けて投げるから、という理由だそうです」。確かに傾斜のあるマウンドから投げる際、投手は後ろから前へ体重移動しながら軸足でプレートを蹴って勢いを付け、投球する。それは、平地でのキャッチボールとは別物だ。特にリリースポイントなどは「PJ式」の方が、理にかなっていると感じる。

 ただここで伝えたいのは、その効果ではない。キャッチボールから「こだわり」を持って、取り組む姿勢だ。別の球団関係者も「良い投手はキャッチボールから良いですね。ジョンソンだけじゃなくメッセンジャーや西もキャッチボールが散らばりません」と話した。そう言われてみると、たとえば制球力抜群の西はキャッチボールの遠投でも相手をほとんど動かさないな……と合点した。

 投手にとって外角低めの制球力を「原点能力」と言うが、それ以前に、野球の「原点」はキャッチボールだ。「原点」に支えられたジョンソンの足元は、揺るがない。(惟任 貴信)

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