履正社 星稜・奥川に春のリベンジ令和初頂点 井上が逆転3ラン「やっと打てた。やっと勝てた」

[ 2019年8月23日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権大会 決勝   履正社5―3星稜 ( 2019年8月22日    甲子園 )

3回(履)2死一、二塁、井上は奥川から逆転3ランを放つ(撮影・大森 寛明)
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 履正社(大阪)が星稜(石川)に競り勝って悲願の初優勝を飾り「令和」の初代王者に輝いた。1点を追う3回に4番の井上広大外野手(3年)が逆転3ランを放つなど11安打5得点。今春選抜で17三振を奪われ完封された大会No・1投手の奥川に雪辱を果たした。大阪勢は昨年の大阪桐蔭に続く2年連続14度目の夏の甲子園大会優勝となった。

 勝った。1番だ。優勝だ。歓喜の輪に井上が加わる。そして感情がこみあげた。嬉し涙だ。アルプスへの優勝報告後、笑顔の中で涙がこぼれた。

 「みんなで力を合わせて、一丸になって、日本一になれた。全力を出し切れたから嬉しいんです」

 呪縛を解き放つ一打だった。1点を追う3回2死一、二塁。奥川に伝令が向かうのを見て井上の心は決まった。帽子に書き込む「心は熱く、頭は冷静に」の文字が決断を支えた。「ストライクを取りに来る。第1打席で三振に取られたスライダーがまた来る。そう思ってました」。初球の高めに浮いた117キロスライダーを一振りで捉えた。バックスクリーン左に飛び込む逆転3ラン。準決勝まで防御率0・00。選抜1回戦で17三振完封負けした奥川から12イニング目で挙げた得点だった。

 春の屈辱からこだわり続けた初球だった。完敗の後、振る力をつけること、初球から行く積極性を自らのテーマとした。春季大会後は空回りの時期が続き7番降格も経験。それでも奥川との再戦を見据え木製バットで素振りを続けた結果が今大会3本目、高校通算49号につながった。

 「上から叩けて芯で捉えた。やっと打てた。やっと勝てた。星稜に始まり、星稜に終わりましたね」

 履正社進学の決め手は、母貴美さん(50)ら家族には自分の存在が必要だと考えたからだ。1人で生活を支える母に感謝しながら、弟の面倒を見て家を明るくしたい。「寮に入らないところと考えたら履正社でした」。岡田龍生監督も父母会で貴美さんに「広大君のコーチをお願いします。食事をして、悩みを聞いて、体調に気を配ってください」と話をしていた。仕事をしながら監督の注文に応え、アルプスから声援をくれた母に、井上はガッツポーズを送った。

 「母には感謝しかないです。甲子園は通過点。プロになるためにやってきた。奥川君との対戦もこれから続くと思います」

 奥川に痛烈な一打を浴びせ、全6試合2桁安打で頂点に立った履正社の4番は、甲子園の土は手にしなかった。次のステージが井上を待っている。(鈴木 光)

 《08年筒香に並んだ大会14打点》○…履正社の井上が今大会単独トップとなる3号3ランを放ち、大会通算14打点の活躍。夏の甲子園の1大会最多打点は17年中村奨成(広陵=現広島)の17だが、08年筒香嘉智(横浜=現DeNA)らに並ぶ3位タイとなった。また、1大会3本塁打以上は、昨夏に大阪桐蔭の藤原恭大(現ロッテ)と根尾昂(現中日)が3本ずつ打って以来31人目(32度目)。

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