ダル12試合ぶり勝ち星逃すも、チームメイトの前向きな姿勢に感謝

[ 2019年7月5日 02:30 ]

ナ・リーグ   カブス5―6パイレーツ ( 2019年7月3日    ピッツバーグ )

<パイレーツ・カブス>気合の投球を見せたが、白星が遠いダルビッシュ(AP)
Photo By AP

 カブスのダルビッシュが3日(日本時間4日)、敵地パイレーツ戦に登板し、6回2/3を7安打4失点。7回に逆転して勝利投手の権利を持って降板したが、12試合ぶりの白星を逃した。5―4の9回から守護神キンブレルが登板したが、四球と二塁打で1死二、三塁を招くと、二ゴロの間に同点、左犠飛でサヨナラ負けを喫した。12試合ぶりの勝ち星を逃したダルビッシュは、フィールドで大はしゃぎするパイレーツナインを見ながら、ダグアウトの手すりにもたれぼう然とした。

 「長いイニングを求められているのもわかっていたし、勝ちを求められているのもわかっていた。なんとか勝っている状態でマウンドを降りたいというのがあった。集中して、気持ちも入っていたし、球も走っていたと思います」。前日までチームは3連敗。自らに課せられた役割を理解し、ストライク率は72%、直球の最速は「思い切り投げた」と2度の99マイル(約159キロ)を計測。7回2死まで86球で無四球と試合を作った。

 粘って投げただけに4失点が悔やまれる。4回無死二塁では4番・ベルに速いカットボールを狙い打ちされ、右翼線へ適時二塁打、5番・カブレラには右中間スタンドへ2点本塁打を許した。「最初(序盤)速いカッターで左(打者)のバットを折って、簡単に打てないだろうと思っていたら、ベルとカブレラにはあれだけを狙われた感じがします。スピードを変えればよかった。まだ1球しか見ていないから、大丈夫だと」。6回にはそのベルに初球のツーシームを左翼スタンドに運ばれ「ツーシームも見たことがないだろうしと投げたら一発で仕留められた。遅いのをミックスしていればああはならなかったかも」と振り返った。

 今季3勝目は消え、チームは4連敗。最大11あった貯金は3まで減った。だが、そんな中、試合後に励まされることがあった。「ベンチ裏でぼーっとしていたら、バエス、アルモラ、シュワバー、カラティニと、みんなが野球の話を始めた。1球1球みんなでちゃんと野球をすれば問題はないだろうと」。もっぱら聞き役だったというが、汚れたユニホーム姿のまま、10分以上。熱く話すチームメイトの姿にダルビッシュ自身も心が動いた。責任をなすりつけ合うのではなく、みんなが前向きだった。「このチームに来れて本当に良かったなと。ドジャースの時も17年9月に11連敗をしたけど、下を向かず、毎日ポジティブに野球をした。それに似たことを感じてすごく良い時間でした」

 ここまでわずか2勝と試行錯誤が続くが、価値観を共有できる仲間がいる。「勝ちは、整理してちゃんとしたピッチングをすれば付いてくる。後半については心配していない」。優勝に向け、後半戦、力を出し切る準備はできている。(ピッツバーグ・奥田秀樹通信員)

続きを表示

2019年7月5日のニュース