阪神、糸原サヨナラ打で3連勝 ベンチスタートに燃えた「最高です!」

[ 2019年5月24日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1―0ヤクルト ( 2019年5月23日    甲子園 )

9回、サヨナラ打を放ち、ナインの祝福を受ける糸原(中央)(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 阪神・糸原健斗内野手(26)が23日のヤクルト戦で2年ぶり2度目のサヨナラ打を放ち、今季3度目の同一カード3連勝を決めた。両軍無得点で迎えた9回1死満塁から右越えの一打。今季2度目のベンチスタートの悔しさを晴らし、今季最多の貯金3へ戻した。

 
 歯を食いしばり、グッと押し込んだ打球は右翼左を突き破った。9回1死満塁。6回の代打出場から3打席目だった糸原がマクガフの146キロを仕留めて試合を終わらせた。

 「当てれば何とかなる…と思って打席に入りました。何とか食らい付いて最高の結果になって良かった」

 3球目の直球を中途半端なスイングでファウルして追い込まれたが、ひるまず5球目をはじき返した。新人だった17年7月9日の巨人戦以来、2年ぶり2度目のサヨナラ打。ナインの祝福でびしょ濡れになった後、矢野監督から「よくやった!」とわが子のように抱きしめられ、「素晴らしいバッティングだった」と賛辞を送られた。

 先発二塁は上本で、ベンチスタートだった。『フルイニング出場』を目標に臨んだシーズンだから悔しくないはずがない。「悔しさはありますけど…」と吐き出した後、「試合に出たら、チームのために自分の仕事をするだけなので」と主将らしさがにじみ出た。

 ヒーローインタビューで「北條がつないでくれたので」とサヨナラ機を演出した後輩の名前を出し、その後も「北條がつないでくれたので何とかしたかった」と繰り返した。以前、「キャンプ期間、本当に凄かった。それでも簡単にいかないのがプロの世界」と苦しむ後輩について話した。同じ内野手だから同情はしない。だが、目の前で見た意地を無駄にしたくなかった。

 今季からあるルーティンができた。ホームゲームで試合前練習を終えてベンチ入りするまでの時間に目を閉じてパタリと眠りに就く。「明確な目的とかはまだないけど、スッキリして良い」。時間にして数十分。集中力を高めると言われる“短時間昼寝”は鳥谷らチームメートが取り入れており、糸原も準備の一つとして実践し、連日の試合に臨んでいる。

 大歓声を浴びながら上がったお立ち台。「最高です!」と喜びを爆発させ、「明日からも頑張るので応援よろしくお願いします!」と締めた。主将が同一カード3連勝に導き、チームの勢いをさらに加速させた。(巻木 周平)

○…糸原(神)のサヨナラ打は17年7月9日の巨人戦(甲子園)9回の二塁打以来2年ぶり2度目。チームは今季4度目のサヨナラ勝ち。1―0サヨナラは15年3月28日の中日戦(京セラドーム)延長10回、関本の押し出し死球以来4年ぶり。甲子園では14年9月29日のDeNA戦延長10回、ゴメスの中犠飛以来5年ぶりになる。今季3度目の同一カード3連戦全勝で、ヤクルト相手では17年8月29~31日の甲子園で勝って以来2年ぶり。

続きを表示

2019年5月24日のニュース