阪神に新風 西勇輝の気概

[ 2019年5月24日 11:05 ]

<神・広(7)>先発した西勇輝(撮影・成瀬 徹) 
Photo By スポニチ

 移籍初年度の西勇輝投手(28)が阪神に新風を吹き込んでいる。先発8試合で実に7度がクオリティースタート(6回以上を投げ、自責3以下)。3勝4敗(23日現在)と一つ黒星が先行しているが、しっかりゲームをつくっている。

 基本的に週に一度の登板となる先発投手。そこに合わせてじっくりコンディションを整え、不安要素を消していくわけだが、最善の準備を施しても人間誰だってコンディションが悪い時は訪れる。マウンドがしっくりこない日もあるだろう。ただ、西の言葉を聞いていると、四隅を突く抜群の制球力だけではない引き出しの多さも感じる。

 調子や体調が優れない時、指の掛かりが悪い時。あらゆる状況でもそれなりに試合をつくれる術を心得ているのだ。「何でカバーするかがピッチャーの仕事だと思いますし、ローテーションを守る自覚だと思う。できないからできないというピッチングでは1軍では投げられない。何でもカバーできるように、その日の状態によって自分と相談しながらやっていければ」。

 登板前日の囲み取材。西は判でついたようにいつも同じ言葉を繰り返す。「まずは自分のピッチングをすること。毎度言っていることですが、相手どうこうではないと思っていますし、自分のやるべきことをやるだけです」。対戦相手の情報はもちろん頭の中にある。対相手打者というよりも自分の投球をいかに貫けるか――。その一点に重きを置いている。自分の投球さえできれば、抑えられるという自負があるのだろう。

 17日の広島戦(甲子園)。一塁を守ったマルテのまずい守備が二度あった(記録はともに安打)。いずれも失点につながったが、西はまったく表情を変えなかった。自身が降板した後、打ち込まれた島本や守屋をねぎらうシーンも見受けられた。二つの行動は一見、誰にでもできそうだが、意外とできないものではないだろうか。移籍初年度とは思えない気概と態度で西は矢野阪神を引っ張っている。(記者コラム・吉仲 博幸)

続きを表示

「稲村亜美」特集記事

「プロ野球 交流戦」特集記事

2019年5月24日のニュース