大谷、打球角度も広範囲 理想は「28度」も今季2号“Moonshot”は「39度」

[ 2019年5月24日 09:00 ]

エンゼルスの大谷翔平
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 打者一本の「一刀流」で挑む2019年のエンゼルス・大谷翔平投手(24)。昨季の22本塁打を上回る数字が期待される中、その可能性を、長打になりやすい打球速度と打球角度を組み合わせた「バレルゾーン」から探る。今季の平均打球速度95・7マイル(約154キロ)はメジャー3位タイ。あとは角度さえつけば、理論上は本塁打量産となる。大谷は「フライボール革命の申し子」になれるのか――。 (大谷取材班)

 18日のロイヤルズ戦で飛び出した今季2号は、打球角度39度で打ち上がった。いわゆる「Moonshot」と呼ばれる高い弾道の本塁打。一般的に最も長打になりやすい角度は28度と言われるが、高く舞い上がったにもかかわらず、スタンドまで届いてしまうのが、大谷の打球なのだ。

 その理由を解き明かすキーワードが、打球の種類で「強打」に定義される「バレル」という言葉。MLBスタットキャストチームの一員で、16年に「バレル」を世に送り出したトム・タンゴ氏が解説してくれた。

 「打球が速ければ、ヒットになりやすいのは誰でも分かる。しかし、いくら速い打球でも野手が守っているところに飛べばアウトになる。それなら野手が届かない角度がついた打球を打てばいい。その最適な打球速度と打球角度の組み合わせがバレルゾーンなんだ」

 具体的に「バレル」と認定される打球は、速度98マイル(約158キロ)以上で、その場合の角度は26~30度。そこから速度が上がるたびに角度も広がり、116マイル(約187キロ)では8~50度(上限)となる。つまり、打球速度が速い選手ほど、長打、さらには本塁打になる角度の許容範囲が広いというわけだ。

 興味深いデータがある。昨季、バレルゾーンに入れた打球の割合を示すバレル率を見ると、大谷はメジャー全体で6位。上位にはア・リーグの本塁打王を獲得したデービス(アスレチックス)ら30発以上を放った強打者が並ぶ。野手専任で打席数が増える今季を考えると、30~40本塁打を打てる能力を秘めていると言える。

 実際、ここまでの平均打球速度は95・7マイル(約154キロ)でメジャー3位タイ。右肘手術の影響によるブランクが心配されていたが、打球速度は昨季の92・6マイル(約149キロ)を上回っている。ただ、今季はまだ角度がついていないため、バレル率は上位5人の中では最低の6・8%。9日のタイガース戦で放った今季初安打は速度111・2マイル(約179キロ)の痛烈な打球だったが、角度13度とバレルゾーンの下限ギリギリで右前打になった。角度が1度でも上がっていれば、外野の頭を越えて長打になった可能性が高い。タンゴ氏は「打球角度が低ければ低いほど、今のメジャーで成功するのは難しい」と指摘する。

 大谷も復帰直後から「バレル」を意識したコメントをしている。

 「フライを打ちたいからフライを打ちにいくわけではなく、いい打ち方をしていたらフライが打てる。その感覚を打席の中で出していければ、角度のついた打球がどんどん打ててくると思っています」(11日のオリオールズ戦の試合後)

 メジャートップクラスの打球速度を持つために、バレルゾーンを広く使える大谷。試行錯誤を続ける中で飛び出した角度39度の「Moonshot」は、本塁打量産態勢へのシグナルと言っていい。

 ≪“ゾーン”外でも2発≫大谷は通算24本塁打しているが、うち22本は「バレルゾーン」に入った打球だ。その他2本は、いずれも昨年9月5日に敵地でのレンジャーズ戦で放ったもの。通算17号は打球速度は十分だったが、角度が45度とバレルゾーンから外れた。18号は打球速度が97.8マイル(約157キロ)で、「バレル」の定義である98マイル以上にわずかに達しなかった。しかし、2本とも狭い右翼に飛んだために本塁打となった。

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