星 完全燃焼!史上3人目の2大会連続メダルに「出し切った」

[ 2016年8月12日 05:30 ]

銅メダルを獲得し、金メダルのベルモンテガルシア(左)と称えあう星

リオデジャネイロ五輪競泳・女子200mバタフライ決勝

(8月10日 五輪水泳競技場)
 女子200メートルバタフライ決勝は星奈津美(25=ミズノ)が2分5秒20で3位に入った。14年11月にバセドー病の手術をしながら15年世界選手権で優勝。完全復活を果たし、ロンドン五輪に続き2大会連続で銅メダルを獲得した。女子の五輪連続メダルは1932、36年200メートル平泳ぎの前畑秀子らに続いて史上3人目となった。

 レース4時間前。星の携帯電話の着信音が鳴った。「奈津美のおかげで本当に経験、感動もらえて幸せな親だと思う。ラスト1本楽しんで納得できるレースしてね」。14年秋にバセドー病の手術をして迎えた15年日本選手権。そのレース前と同じように、母・真奈美さんからのメッセージに涙があふれた。「絶対諦めないで最後まで泳ぐから見守ってね!」。返信通りの完全燃焼だった。

 予想は厳しかった。15年世界選手権欠場の実力者ベルモンテガルシアが復活。新進気鋭のオーストラリア選手に4年間、自己ベストを更新できていない星がいた。だが、得意の粘りで食らいつき「最後はキックも打てなくて腕も上がらないぐらいまで出し切った」とロンドン五輪以降の自己ベストを更新し「本当に満足」。この日が65歳の誕生日だった父・幸治さんへの贈り物にもなった。

 五輪前、2カ月間の欧州遠征。6月のバルセロナでの大会で結果が振るわず大泣きした。不安を抱える星を平井伯昌コーチは街へ連れ出した。「話をしないと、ここで終わると思った」。向かったレストランバー、コーチは「世界王者のプライドなんて捨てろ。君が諦めないならとことん付き合う」と言った。

 折れかけた心を真っすぐにしてくれた平井コーチの最後の指示は「あれだけトレーニングをしてきたし、後半は自信を持っていけるはず、だから離れずに付いていこう」。バセドー病の手術後は首の負担を軽減するためシュノーケルで再開した第二の水泳人生。首元には12センチの手術痕が残る。どん底からはい上がった星は再び表彰台に立ち「私にとって、手術した時はつらかった思い出になってなくて、むしろそれがあってまた五輪の舞台で戦えたと思っている」と充実感をにじませた。

 ◆星 奈津美(ほし・なつみ) 1990年(平2)8月21日、埼玉県越谷市出身の25歳。3歳から競泳を始める。春日部共栄高から早大へと進み、14年4月からミズノに所属。高1の全国総体で200メートルを制し、全国大会初優勝。初出場の08年北京五輪は10位。11年世界選手権4位。12年ロンドン五輪は銅メダル。1メートル64、56キロ。

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「卓球」特集記事

2016年8月12日のニュース