×

旅・グルメ・健康

【だから元気】藤岡弘、の若さの秘けつ 山の水&たてたコーヒー

[ 2016年4月29日 05:30 ]

コーヒーをたてる藤岡弘、
Photo By スポニチ

 俳優・藤岡弘、は1965年の芸能界デビューから、キャリア50年を超えた。武道やサバイバル訓練、トレーニングで鍛え上げた体はいまだ筋骨隆々で、お肌ツヤツヤ、髪もフサフサ。驚異の若さを誇るその秘密は、ふるさとがルーツの食べ物とこだわりの水。そして、大好きなコーヒーも驚きの飲み方でたしなむ。熱い魂を持つサムライ・藤岡の元気の源は?

 僕の体の原点は、生まれ故郷の愛媛。四国山脈の麓で、野生の自然薯(じねんじょ)を掘り、魚を捕り、湧き水を飲んで大きくなった。104歳まで生きた母は、「子供の頃に食べたものがその人をつくる」という考えで、いつも食卓には10種類以上の献立。今でも思い出すのは五穀で作った雑穀かゆ。サツマイモ、サトイモ、カボチャ、大根、ニンジン、キノコ、キジ肉。あらゆるものを入れて、塩だけで味付け。そこに僕が鶏小屋から取ってきた卵を落として。いや~、おいしかったね。

 母は何にでもゴマをかけた。その影響で今もゴマはよく食べる。ご飯にかけ、味噌汁に入れ、豆乳とゴマを混ぜたものを飲むこともある。それから味噌、納豆など発酵食品も好きだね。味噌汁は毎日飲む。

 でも、「これを毎日食べよう」というこだわりは特にないんだ。アクションシーンやトレーニングで体を動かすと、その日に食べたいものが自然に浮かぶ。今でもアクションシーンの前には腕立て伏せを300回はする。そうすると、「今日は肉」「今日は魚が食べたい」となる。体が欲する声を聞くんだ。体が喜ぶものを食べるのが僕にとって当たり前のことだ。

 唯一、これでないと駄目、というのが水。東京に出てきて驚いたのが水の味。いかに故郷の水がおいしかったのかが分かった。撮影で地方ロケに出るたびにその土地の水を飲んでみて、たどり着いたのが富士山方面の岩清水。場所は明かせないが、地元の人たちがくみに行く昔からの水場。何十年もそこにくみに行っている。キャンピングカーに20リットルタンクを30個も積んで、今でも2カ月に1度は自分で運転して。弟子やスタッフに行かせたら簡単だけど、自分で行くことに意味がある。自然の中で自分が楽しみながら実践する。その行為と精神こそが体にいいんだ。

 超軟水のその水で入れたコーヒーを1日5、6杯は飲む。山の水で入れたコーヒーは、えぐみや苦みが全くない。そしてね、“藤岡流”は、コーヒーを茶筅(ちゃせん)でたてる。茶道の師範だった母の残した茶器と茶筅があって、ある時、コーヒーを混ぜてみたら、日本のお茶のように細かい泡がたった。

 これが、うまい!きめ細かい泡が甘みを出し、まろやかな味に。まるでエスプレッソだよ。外国のお客さんに出したら、あまりのうまさに驚いていた。

 僕は温泉が大好きなんだけど、1回温泉に入ると2キロ体重が減る。それから、人生で便秘をしたことがない。2~3日出ない、なんて信じられない。この新陳代謝と循環の良さは山の水とコーヒーのおかげかもしれないね。

 人生は、絶えず「道」を求める旅のようなもの。己自身を磨き、体の五感を研ぎ澄ますと、自然に自分が欲する物が見えてくる。自分に合ったものを探すことこそが健康の秘けつだね。(構成・藤原 真由美)

 ◆藤岡 弘、(ふじおか・ひろし)1946年(昭21)2月19日、愛媛県生まれ。古武道の武道家である父の下、6歳から武道の手ほどきを受ける。65年、松竹入社。都はるみの主演映画「アンコ椿は恋の花」でデビュー。71年、特撮ドラマ「仮面ライダー」の主人公・本郷猛役で一躍スターとなる。84年、米SF映画「SFソードキル」にサムライ役で主演し、全米映画俳優組合加入。隊長としてサバイバルに挑戦する「藤岡弘、探検隊シリーズ」もお茶の間の人気を獲得した。海外でのボランティア活動も熱心に行っている。1メートル80。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る