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【橋本マナミ 恍惚のグルメ】天然氷のやさしい涼につつまれて

[ 2017年7月21日 12:00 ]

フワフワで優しい口解けの白桃・果肉入りかき氷にウットリの橋本マナミ
Photo By スポニチ

 夏といえばかき氷。東京の下町・梅島にはお客さんの絶えない人気店があるんです。自家製シロップとフワフワの氷のハーモニーを求めるリピーターが続出中。支えているのは「天然の3拍子」。あまりのおいしさに昼間から絶頂を迎えてしまいました。

 東武スカイツリーラインの梅島駅から静かな住宅街を歩いていくと突然、路地に行列が見えてきます。ここが、かき氷のホットスポット「椛屋(もみじや)」です。連日、開店前に整理券が配布される大盛況なんです。

 すだれに覆われた独特の外観。元々、代表の梁川根浩さん(46)の実家の駐車スペースだった所にテントを張り、すだれをかけるなどして構えた店。中は漏れてくる光と飾られた緑が爽やかです。かき氷の専門店として一年を通して営業。季節ごとに旬のフルーツの一皿が味わえます。

 夏の人気は「白桃・果肉入り」(1200円)。自家製のシロップは濃厚で、かぶりつきたくなるようなツヤツヤの輝き。桃本来の味わいが強く残って、まろやかな味わい。「濃くておいし〜い」って声が漏れちゃった。氷はフワフワで、口の中でス〜ッと爽やかに解けていきます。旬の桃の中でも、さらにその時期においしい品種を選び、丁寧に煮込んでシロップを作っています。ゴロッと入った果肉もみずみずしくて夏を感じます。

 氷は栃木・日光の老舗「松月氷室」の天然氷を使用。雪みたいにフワッと解け、まろやかなおいしい水の甘みが広がります。優しい冷たさで提供できるように氷の温度に気を配りながら、ふんわりと作っているんです。

 シロップと氷のハーモニーをさらにもり立てているのがこの空間。気付けば、おでこにじんわり汗がにじんでいました。冬に使用する大きなストーブは見えますが、店内に冷房はありません。キンキンに冷えた屋内で食べる氷もいいけど、ビアガーデンで飲むビールのように天然の暑い空気の中で食べるとおいしい。体が冷たいものを喜ぶんです。暑くなるほどにどんどん欲しくなっちゃって、あっという間に全部食べちゃいました。

 「街ににぎわいを取り戻したい」と2012年に開店。4人席のテーブル1つからスタートし、今では約20人が座れるように増やしましたが、整理券を求めるお客さんが後を絶ちません。現在の人気は想像していなかったそうで14年ぐらいまで梁川さんはトラック運転手も掛け持ちしていたそうです。素材の良さを生かした基本に忠実で丁寧な仕事が大ヒットを生んだんです。

 山形の実家で食べる無果汁のかき氷も好きだったんだけど、ごめんなさい、お母さん。天然が生み出す力強い一皿が忘れられない夏になりそうです。

 《多彩なメニュー》かき氷のメニューは旬の果物を使った自家製シロップの季節限定と定番があります。通年メニューの「ミルクティークリーム」(950円)も人気。アールグレイのミルクティーのシロップが氷が解けてきても薄く感じない、ちょうどいい濃さで絶品です。秋にはぶどう、いちじく、焼き芋、かぼちゃなどが登場予定。ストーブがたかれる冬は、中は練乳と特製いちごシロップ、外はショコラクリームの「ショコラキッス」、「生いちご・果肉入り」などがあります。

 ◇椛屋 東京都足立区梅田3の19の15、1階。梅島駅から徒歩15分。(電)080(5543)0273(問い合わせは午後6時30分すぎ〜同9時ごろ)。営業時間は正午〜午後5時45分(ラストオーダー)。火曜定休(火曜が祝日の場合は営業。その場合は翌日の水曜が休み)。整理券は午前11時30分配布。臨時休業や営業時間などの変更は公式ツイッターやブログで掲載。

 ◆橋本 マナミ(はしもと・まなみ)1984年(昭59)8月8日、山形県生まれの32歳。写真集「流出」(ワニブックス)発売中。1メートル68、B86・W60・H88。

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