藤井聡太王将 最年少7冠&名人奪取の偉業にも表情変えず 8冠へ残るは王座「少しでも上を…」

[ 2023年6月1日 19:45 ]

<名人戦第5局>対局を終え、感想戦に臨む藤井新名人(撮影・河野 光希)
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 将棋の第81期名人戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)7番勝負第5局は1日、長野県高山村の緑霞山宿・藤井荘で2日目が指し継がれ、後手・藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋王、棋聖を含む6冠=が渡辺明名人(39)を94手で下し、4勝1敗で名人を初獲得、羽生善治九段(52)に続き2人目の7冠を達成した。20歳10カ月の名人奪取は谷川浩司17世名人(61)の持つ史上最年少記録(21歳2カ月=1983年)を40年ぶりに塗り替え、羽生九段の持つ史上最年少7冠記録(25歳4カ月=96年)も大きく更新した。

 藤井新名人は偉業達成にも表情を崩さず、「まだ実感はないんですけど非常にうれしく思いますし、とても重みのあるタイトルだと思うので、今後それにふさわしい将棋を指さなければという思いです」と落ち着いた口調で喜びのコメント。名人のタイトルについて「重い立場だと思うので今後の将棋がより問われるのかなと思っている。その立場にふさわしい将棋が指せるように頑張っていきたい」と話した。

 谷川17世名人の最年少記録を40年ぶりに更新したことに「そのこと自体は意識していたわけではないんですけど、一歩ずつ持ってくることができたうれしさはあります」。そして羽生九段以来の7冠達成について聞かれると「あっ、はい」と応じた後38秒間考えて「そのこと自体は意識していたわけではないので…特にということはないんですけど、名人戦で持ち時間9時間の中で自分で良いところも課題も多く出たシリーズだったかなと思うので、大きな収穫だったかなと思っています」と話した。

 初の8冠制覇へ向けて残るは王座戦となる。王座への挑戦者を決めるトーナメントは5月10日に開幕。藤井は1回戦で中川大輔八段を下し、永瀬拓矢王座への挑戦まであと3勝としている。王座戦5番勝負は例年9月開幕で、これを制せば史上初となる8タイトル全制覇の可能性がある。

 藤井新名人は「王座戦はまだまったく挑戦を目指す段階ではない」としつつも、「少しでも上を目指せるように頑張りたいと思います」と抱負を口にした。

 ▽将棋のタイトル戦 王将戦、竜王戦、名人戦、王位戦、叡王戦、王座戦、棋王戦、棋聖戦があり「8タイトル戦」と呼ばれる。5番勝負または7番勝負で優勝を争う。優勝賞金の最高額は、竜王戦の4400万円。タイトル戦以外のNHK杯などは「一般棋戦」と言われ、段位によって出場できる、できないがある。このうちNHK杯、朝日杯、銀河戦、JT日本シリーズが「主要4棋戦」。

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