西郷輝彦さん偲ぶ会 「御三家」舟木一夫が寂しさ吐露「今でも吹っ切れていない」

[ 2023年2月20日 18:00 ]

<西郷輝彦を偲ぶ会>西郷輝彦さんの祭壇(撮影・河野 光希)
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 昨年2月20日に75歳で死去した歌手で俳優の西郷輝彦さんを偲ぶ会が20日、都内のホテルで行われた。会場には歌謡界の「御三家」としてともに活躍した舟木一夫ら著名人やファン約600人が集まり、国民的人気を博したスターとの別れを惜しんだ。

 この日はちょうど一周忌にあたる。自然な色合いで明るいイメージで作られた祭壇は、ピンクのバラや紫のトルコキキョウ、白の胡蝶蘭など約2000本の花が飾られ、中央には優しく微笑む西郷さん。遺影は、2019年秋のカレンダー撮影でのもので、優しい素の表情を見せていることから選んだという。

 会場には、テレビプロデューサー石井ふく子ら発起人のほか、森田健作、高島礼子らが参列。舟木は会のあいさつの中で「今でも吹っ切れていない。今も電話かけたら“どうも”って出てくる気がする」と一年経っても寂しさは変わらないと語った。その後の取材でも「自分がステージをやると、やっぱりここへ立って欲しくなる」と横を指さしながら見つめた。「自分が現役で歌っている間は輝さんのことだけが過去にはならない。そんな気がする」と話すと会場は大きな拍手で包まれた。

 会では俳優の大村崑もあいさつ。西郷さんが、俳優として活動し始めた頃からの付き合いだったという。「この世界は教えてもらえない。喜劇の先輩は見て覚えろと言っていた。でも、彼は懐いてきて“教えてくれ、教えてくれ”と言うんですよ。だから、面白くて」と人柄を明かした。中でも「面白かったのはくしゃみ」といい、「(西郷さんは)くしゃみが出ない。くしゃみをすると、“うまい、どうやってやるんですか”と顔をのぞいてくる。教える方法がないから自分で考えてやらないと、言ったら、(くしゃみを)“売ってください”って。できないままで終わっちゃった」と振り返った。会でのあいさつの最後には、西郷さんに向けてくしゃみしてお別れをした。

 会場にはレコードやポスターファンクラブの会報やアルバムなど、ゆかりの品200点以上を展示。晩年のディナーショーで着用したシルバーの衣装も、歌う西郷さんの写真パネルの前に展示された。妻の今川明子さんは「両親をとても大切にし、最後まで寄り添う優しい息子であり、子供たち、1人1人とちゃんと向き合ってくれた父親で、私たちはとても幸せでした」と話した。

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