慶応義塾高吹奏楽部 応援スタイルの原点にして変幻自在のパターン

[ 2023年2月18日 13:41 ]

演奏を前に、引き締まった表情の慶応の吹奏楽部、応援指導部の生徒たち(撮影・木村 揚輔) 
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 【とどけ!吹部ダマシイ】グラウンドの誰かを応援しているのに見ている自分も励まされている。吹奏楽部が奏でる「応援曲」は、いつも誰かの背中を押している。 吹奏楽部の迫力演奏はこちら

 慶応義塾高吹奏楽部は毎年コンクールにも出場するが「応援」に活動の比重を置く。部の成り立ちを追えば当然かもしれない。創部は1989年(平成元年)と比較的新しい。それまでは応援指導部の中の演奏セクションだった。

 顧問を務める音楽科の塚原理教諭は「野球部が甲子園に出場すると入部希望者が増えます」と相乗効果を明かした。ホール用の演奏は顧問が指導するが、応援に関しては顧問ではなく「学生コーチ」が指導することで引き継がれてきた伝統だ。

 学生コーチを務める同校OBで、慶大2年の土橋祐太は18年に甲子園での応援を経験した。コロナ禍で活動が制限されてきた後輩に伝統を受け渡したい。土橋は「慶応の応援には決まった形がない。試行錯誤しながらやってきた」と常に変化し続けるスタイルを強調した。

 吹奏楽部で生徒責任者を務める岩本洸(2年)は「元の曲が素晴らしいので、時代で薄れない」と胸を張る。トランペットを担当する岩本は「球場では70代のOBの方も一緒に演奏して下さる。先輩方が築いてきたもの、大きな文化を継承していくことに喜びを感じる」と明かした。

 男子校で、文化部には慶応義塾女子高と提携して活動しているクラブもある。だが、慶応女子に吹奏楽部はない。塚原教諭は「男だけでワイワイ、硬派にやっています」と笑った。

 高校生活を吹奏楽部にかける理由は人それぞれ。岩本は「吹奏楽部には体育会的なみんなで目標に突き進むイメージがある。僕はスポーツができないので音楽を選んだ」という。グラウンドに負けない熱い魂が、聴く者の心を揺さぶる。(君島 圭介) 

【迫力演奏が甲子園アルプス席に響き渡る】 https://youtu.be/TdZ3hukD5BM

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2023年2月18日のニュース