谷川17世名人 新関西将棋会館の構想お披露目 対局室から中庭 盤イメージの外観 棋士室も面積が倍

[ 2022年10月27日 16:56 ]

24年秋に移転してオープン予定の関西将棋会館の完成予想図(日本将棋連盟提供)
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 24年秋、大阪府高槻市にオープン予定の新しい関西将棋会館の整備事業者が大成建設に決まり27日、大阪・関西将棋会館で建築構想がお披露目された。東西会館建設委員会の副委員長で関西統括の谷川浩司17世名人(60)は「中庭が作られ、対局で疲れた目を休められる。外観も洗練されていた」と計7社による提案からの選定ポイントを挙げた。

 延べ床面積が1750平米から1900平米へ大きくなる新会館は、1階に道場や売店、2階にイス対局室、3階に事務所や会議室、棋士室、4階に対局室、5階にタイトル戦も行える特別対局室が入る。

 外観は将棋盤をイメージし、3階以上からは木々が植わった「内なる中庭」が望める。中庭の提案があったのが同社だけだったと振り返り、「インパクトがあった。西のシンボルタワーなので」。JR高槻駅西口から徒歩1分で実現するファンや棋士らの利便性、そして静寂の両立をアピールした。

 棋士らの控え室で練習将棋や研究を行う棋士室は、現在の倍の50平米へ拡張される。一門の枠を超え、棋士が奨励会員を含む後輩らと盤を挟んで見解を交わし合う。その伝統が藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖を含む5冠=にとどまらず、若手の台頭が著しい関西の勢いを作り上げた。基本的に半年に2人ずつ誕生する棋士がここ5年で計14人に達した。

 懸念材料は年明け以降の円安、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、高騰した建築資材の調達という。13億円の移転、新築費は上振れが予想され、「クラウドファンディングや現会館の土地売却などでまかなえるよう、努力してやっていく」と脇謙二専務理事(62)は説明した。

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