宝田明さん死去 87歳 二枚目スターとして活躍 10日に映画舞台あいさつに出席したばかり

[ 2022年3月18日 05:00 ]

宝田明さん(2014年撮影)
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 「ゴジラ」シリーズなど多くの東宝特撮映画に出演し、日本のミュージカルの草分け的存在としても知られた俳優の宝田明(たからだ・あきら、本名寶田明)さんが死去した。87歳。日本統治下の朝鮮・清津出身。亡くなった日時や死因などは明らかになっていない。

 長身、美形の二枚目スターとして息長く活躍した。今月10日には主演映画「世の中にたえて桜のなかりせば」の舞台あいさつに出席したばかり。報道陣に「持病の腰痛が悪化したので車椅子で来た」と笑顔で話していた。壇上では、ダブル主演を務めた乃木坂46の岩本蓮加(18)の演技を冗舌に絶賛していたのが最後の姿となった。

 1953年、都立豊島高校卒業後に東宝演技研究所に入所し、翌54年に東宝と契約した。同年「ゴジラ」の主演を務め、一躍看板スターに躍り出た。60年代以降は活動の軸を舞台に移し「マイ・フェア・レディ」への出演などで、ミュージカルスターとしての地位を不動のものにした。

 私生活では日本人初のミス・ユニバースの栄冠に輝いた児島明子(85)と66年に結婚。2男1女をもうけたが、84年に離婚した。長女の児島未散(54)は歌手や女優として活躍している。

 還暦を過ぎてから狭心症に苦しみ、97年には12時間に及ぶ冠動脈バイパス手術を受けた。それでも精力的にさまざまな作品に出続け、16年には政治団体「国民怒りの声」から第24回参議院議員選挙の比例区候補として出馬宣言したことも。

 波瀾(はらん)万丈な生涯を全うした宝田さん。最期まで俳優でありつづけた。

 宝田 明(たからだ・あきら)1934年(昭9)4月29日生まれ。旧満州ハルビン出身。高校卒業後の1953年、東宝ニューフェイス第6期生として俳優デビュー。翌54年、映画「ゴジラ」で初主演。「モスラ対ゴジラ」(64年)などゴジラシリーズに多数出演。東宝が香港と合作した映画「香港の夜」などに主演し、アジア地域でも人気を博した。長身の二枚目俳優として「風と共に去りぬ」「マイ・フェア・レディ」などミュージカルにも多数出演。長年、ミス・ユニバース日本代表選出大会の司会を務めた。血液型O。

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