尾野真千子 皆で作り上げ、独りでないこと実感「飲みたいわあ」

[ 2022年2月16日 05:30 ]

<第76回毎日映画コンクール表彰式>女優主演賞を受賞しトロフィーを見つめる尾野真千子(撮影・会津 智海)
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 2021年(第76回)毎日映画コンクールの表彰式が15日、東京・めぐろパーシモンホールで行われた。新型コロナ下での開催とあり、昨年に続いて定員1200人の半数以下に招待を絞ってのセレモニー。主演賞の佐藤健(32)と尾野真千子(40)はブロンズ像を手に感無量の表情。「茜色に焼かれる」でスポニチグランプリ新人賞に選ばれた和田庵(16)と片山友希(25)はステージ上でさらなる飛躍を誓った。

 【女優主演賞 尾野真千子「茜色に焼かれる」】「女優をやっていると、よく孤独を感じることがありました。この作品に出合い、独りではない、皆で作り上げているんだと思えるようになりました。こんなにうれしいことはありません。今、とても皆と飲みたいです」。尾野は、ブロンズ像の重みを感じながら喜びを口にした。

 理不尽な交通事故で夫を失い、息子を懸命に育てるシングルマザー役。困難に遭うたびに「まあ、頑張りましょう」と口癖のように唱える設定だった。しかし、コロナ下で撮影されたこともあり「台本ではどう言えばいいかとても悩んだけれど、撮影を進めていくうちに素直に言えるようになった。今の時代、頑張るしかないと納得のいくセリフになった」と振り返る。

 昨年5月の公開時はまだ映画館の座席が半減されており、悔しさのあまり舞台あいさつで涙を流した。それでも「私も含めて全員が悩んで絞り出した芝居が多くの人に伝わり、その成果が3人での受賞だと思う」と、スポニチグランプリ新人賞に輝いた2人と喜びを分かち合った。

 表彰式を終え「本当に幸せに思えます。この瞬間を大事にしたいですね」としみじみ語った尾野。そして「やっぱり、皆で飲みたいわあ」といたずらっぽく笑った。

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