八代英輝氏 ワリエワ問題に「RUSADAがきちんと仕事していれば、この選手は五輪に出場できなかった」

[ 2022年2月16日 14:27 ]

八代英輝弁護士
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 弁護士の八代英輝氏(57)が16日、コメンテーターを務めるTBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に出演。北京五輪のフィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)が15日に行われ、昨年12月のドーピング違反が判明しながら個人種目出場が認められたカミラ・ワリエワ(ROC)が82・16点で首位発進したことに言及した。

 ワリエワは、冒頭の両手を上げたトリプルアクセルはステップアウトしたが、続く3回転フリップを着氷すると、後半に高難度の3回転ルッツ―3回転トーループを決め、ステップとスピンでも魅了した。前日14日にスポーツ仲裁裁判所(CAS)が資格停止処分の解除は妥当と裁定。ロシア紙プラウダは、禁止薬物トリメタジジンが検出された違反について、祖父の薬が誤って体内に入ったと弁護士らがCASに主張したと報道。心臓疾患を抱える祖父が薬を服用する際に使用したグラスでワリエワが水を飲んだ可能性があるという。

 日本スポーツ仲裁機構・仲裁人でもある八代氏は「16歳未満であるという年齢がいろんなところに波紋を投げかけて、今回の処分にも大きな影響を及ぼしていると思うんですけれども、悪質性の高い薬物なんですよね、トリメタジジンというのは。それが検出された選手が他の選手と同じように競技に参加できているってことに違和感を感じる人は非常に多いと思うんですね」と指摘。

 そして「これがROC、ロシア側の組織的な関与だとしたら非常に悪質なわけですよね」と話した。MCの恵俊彰がここで「どこかで被害者なのかという目線もどっかにあったりなんかして。これがまだ分からないわけですよね」と話すと、八代氏は「そうですね。ですからそこも含めてスポーツ仲裁裁判所も迷ってしまったんだろうと思うんです。ただドーピング問題自体が最終的にはアスリートを保護するためのものですから、結局、RUSADA(ロシア反ドーピング機関)が検査を遅らせた張本人になってしまってるわけですよね、スウェーデンに検体を送る時に優先的な配慮を求めなかったと」とし、「結局その時点でRUSADAがきちんと仕事をしていれば、おそらくこの選手は五輪に出場できなかったことになるわけです。RUSADAがきちっと仕事をしなかったがために結局、この選手が出場できている。しかも非常に中途半端な状態で。これはロシア側が思った通りにIOCが動かされてしまっていることでもあるので、本当にドーピング問題に取り組む人たちにとって非常に複雑じゃないかなと思いますね」と自身の見解を述べた。

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2022年2月16日のニュース