フィギュア女子メダル授与式なしの可能性に「悲劇」「理不尽」「こんなヒドイ話はない!」怒りの声

[ 2022年2月16日 22:30 ]

<北京五輪 フィギュア>浮かない表情で練習するワリエワ(撮影・小海途 良幹)
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 北京五輪も第13日を迎え、いよいよ終盤を迎える。日本選手団は前日の15日に計3個のメダルを獲得し、今大会のメダル総数が冬季五輪のメダル総数最多だった18年平昌(金4、銀5、銅4)を超えて史上最多となる「14」(金2、銀5、銅7)となる活躍を見せている。そんな中、あす17日にはカミラ・ワリエワ(15=ROC、ロシア・オリンピック委員会)のドーピング問題に揺れる中、フィギュアスケート女子フリーが行われる。

 日本勢は平昌五輪6位の坂本花織(シスメックス)が自己ベストの79・84点をマークし、3位。18年世界選手権準優勝の樋口新葉(明大)は73・51点の5位、五輪初出場の河辺愛菜(木下アカデミー)は62・69点で15位発進となった。ROCの「3強」に割って入った坂本を筆頭にメダル獲得が十分に期待される。

 しかし、ワリエワのドーピング疑惑に関してスポーツ仲裁裁判所(CAS)が14日、暫定資格停止処分の解除を不服とする国際オリンピック委員会(IOC)などからの提訴を却下。「例外的な状況」で処分解除は妥当と裁定した。裁定は五輪出場の可否のみで、昨年12月のドーピング違反を否定したわけではない。ワリエワがROCの金メダルに貢献した団体戦の取り扱いも別の手続きとなり、IOCは今大会中にメダル授与式は行わないと発表。失格になった場合は3位の日本が銀メダルに繰り上がる可能性がある。今後の処分も考慮し、個人戦でワリエワがメダルの対象となった場合も表彰式は実施しないとした。

 この裁定通りとなると、仮に日本選手3選手のうち誰かが3位以内に入っても、ワリエワがメダルの対象となった場合に表彰式は実施されない。団体戦でも表彰台でメダルを受け取っていない日本。女子フリーを翌日に控えた16日には、ネット上でも「人生を懸けて努力をしてきた選手たちはたまらない」「他の選手のことをバカにしている」「こんなヒドイ話はない!」「もし坂本選手が3位以内に入ったら、団体戦に続きメダルが表彰台でもらえないことになる…かわいそうすぎる、悲劇だ」「せっかくのオリンピックなのに…彼女たちがかわいそうすぎます」「(ワリエワを)出場させるなら表彰式もやってくれ!」「他の選手を祝福する場を失わせるわけですから…」「他の国、他の選手がメダル授与式を受けられないのは理不尽でしかない」など怒りを含んだコメントが上がっていた。

 15日のTBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)ではプロフィギュアスケーターでタレントの村上佳菜子も「この会場でメダルをもらえることが選手にとってどれだけ大きなことか考えてほしい」と選手にとっての五輪会場での表彰式の重要さを切実に訴えていた。同じくプロフィギュアスケーターの安藤美姫も16日、MCを務めるのABEMA「Abema Prime(アベプラ)」(月~金曜後9・00)に出演し「もしワリエワ選手が表彰台に乗った場合は、ワリエワ選手のメダルだけかわいそうかもしれないですけども授与しないで、他の選手は授与式があっていいのかな、特に個人戦は。彼女、団体戦も出ているので、そういったところでは団体戦の成績っていうのは難しいところがあると思うんですよ。でも個人はその場で決着がつくので、他の2人はメダル上げても(いいのかな)」と私見を述べ、ワリエワが15歳であることで難しくなっていること、そしてワリエワを含む全選手たちの置かれた普通ではない状況を選手側の目線に立っておもんぱかっていた。

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2022年2月16日のニュース