【独占手記 青柳晃洋】「変則投法でも、夢舞台に立てるんだよ」子どもたちに伝えたかったこと

[ 2022年7月27日 07:15 ]

マイナビオールスターゲーム2022第1戦   全セ2―3全パ ( 2022年7月26日    ペイペイD )

<全パ・全セ>2回を投げきり、ビシエド(右)と笑顔の青柳(撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

 阪神・青柳晃洋投手(28)が全セの先発マウンドに上がり、全パ4番・山川にソロを被弾して2回1安打1失点だった。猛虎のエースは夢舞台出場に際し、スポニチ本紙に独占手記を寄稿。変則投法の代表として伝えたかったメッセージとともに、前半戦躍動の裏で、ファンからの励ましの声や家族の支えが大きな原動力になったことも明かした。

 【独占手記】オールスターに初めてファン投票1位で選出してもらい、光栄に思います。先発のマウンドはちょっと緊張しましたが、楽しむことができました。

 僕はオールスターを通して伝えたいことがありました。それは野球をやっている子どもたちに変則投法でも、夢舞台に立てるんだよということです。「150キロ、160キロのスピードがなくても輝けるんだ」と伝われば…と思っていました。僕も子どもの頃から見ていた舞台ですし、憧れの舞台。そこで見ている人の憧れとなれるように投げました。西武の山川選手には完璧な本塁打を打たれましたが、四球を出すより全然良いかなと思い、向かっていきました。称賛するしかないです。

 この舞台での楽しみは一流選手と一緒にプレーができ、話す機会もあるということ。去年は又吉さん(現ソフトバンク)と巨人・高梨さんと変則投法の仲間で話しました。高梨さんのスライダーやツーシーム、又吉さんのスライダーについて聞くことができ、変則投法でもそれぞれ感覚は違うのだと感じて、すごく面白かったです。

 今年はずっと目標にしている中日の大野雄さんと話をしました。完全試合を9回までやっていた5月6日の試合の話で、中日のファンの方から“おまえのせいで完全試合がなくなった”と言われたことを話したら、大野さんには僕が“良い投球をしていたので、それに乗っていけたよ”と言ってもらえました。

 ここからは、個人的に前半戦を振り返らさせてもらいます。今季は開幕直前に新型コロナウイルスに感染して出遅れました。本当にチームには迷惑をかけました。復帰した時には“最初から青柳が出てくれたら”という存在になりたかったですし、巻き返すために、とにかく必死でした。

 前半戦は中日の大野さんとの投げ合いで、1失点で負けた試合があれば、逆に4失点しても勝った試合もありました。11勝できたのも、味方の援護があったから。今となってみれば、前半戦は納得どころか、出来すぎじゃないかと思います。

 ファンの方々からはSNSに去年よりも多くのメッセージが届いています。メッセージでは“明日の先発は青柳だったら勝てるな”という声もあり、うれしい半面、若干のプレッシャーになったりもしますが…(笑い)。応援の声は、本当にうれしいです。

 家族にも感謝しています。食事は全部、奥さんに任せていて、最近は朝食で焼き魚を食べるのを習慣にしています。魚に含まれるEPAという成分が炎症を抑えてくれる効果があると言って、毎日、用意してくれます。僕一人では食事面に気を使えないので、何も言わなくても、やってくれる奥さんには感謝しかありません。結婚してから成績が上がっているのも、奥さんのおかげかなと思います。

 29日からは後半戦も始まります。優勝するためには1戦ずつ勝っていくしかないです。投げる試合は全部、勝ちたいです。やる限りは優勝を目指したいですし、優勝するための投球を頑張ってやっていきます。(阪神タイガース投手)

続きを表示

2022年7月27日のニュース