落合博満氏が明かした巨人退団の裏側 社長とフロントが「まるっきり違う行動に出ちゃった」

[ 2022年7月27日 17:05 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が27日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新し、1996年の巨人退団の真相を明かした。

 94年に巨人へ移籍し、3年間でリーグ優勝2回、日本一1回に貢献も、96年のオフに巨人を退団し日本ハムに移籍したことについて落合氏は「シーズン中に渡辺(恒雄)オーナーから“来季のことはもう言ってあるから。球団の人間と話しろ”って言うから、来季もここに残るんだなっていうふうな意味合いでとった」と退団するつもりはなかった。

 だが「その中に入った3人がまるっきり違う行動に出ちゃったっていうのが真相じゃないかな」と退団の真相を明かした。落合氏が語った「3人」については球団のフロントの人間で「そっからおかしくなっちゃった」と渡辺オーナーが思い描いていたものとは違う結果になったという。

 落合氏が「だから最終的に辞めるって言った時に渡辺オーナーが“女房に会いたいから連れて来い”って言ったのは、その日だもん、(信子夫人を)連れてったのは」と回顧。これに信子夫人も「“ただいま”って帰ってきて、“支度しろ”って言うから“なんの?”って言ったら、球団が“信子さん連れて来い”と。“え、なんか悪いことアンタしたの?”ってなるよね。それで外を見たら、もう車が報道陣が」と急な展開だったという。

 ただ、前日の夜に記者から「明日の1面“落合解雇”。なんかそんなような言葉で1面いくと」と聞かされていた。これを受けて落合氏に電話で「明日の1面は、なんか辞めるっていう」と確認。落合氏からは「いや、8月にオレが聞いた時には契約があるってことは言ってたよ」とのんびりと構えていたという。

 呼び出された信子夫人は球団に到着すると「渡辺オーナーが1人で座ってらして」とあいさつした後「主人が何かしましたか?」と尋ねた。さらに、「いきなり新聞で1面で“落合(解雇)”っていうのはね、合点がいかないと。申し訳ありませんが、どういう経過ですか?」と聞いた。

 渡辺オーナーからは「正直に話してくれた。“すまなかった”って言ってくれた」と、部下のミスに対してすぐに謝罪の言葉があった。信子夫人は「今、私も主人もここで!今ここで!退団、クビにしてください。ここで辞めさせてください。発表してください」とお願いした。

 渡辺オーナーは黙って考えた後に「落合くん、キミは何歳だね?」と聞いてきた。落合氏が「43歳です」と答えると「僕はね、73歳で今の立場にあるんだよ。キミはまだ若いよね?まだまだできるよね?」と確認。落合氏が「できます」と返事したことで、その場で自由契約が決まったことを振り返った。

 そして1996年11月28日。落合氏は長嶋監督との同席会見で「長嶋監督の悩む顔を見たくなかった」と語り巨人を去った。

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2022年7月27日のニュース