【高校野球】加古川西 延長12回激闘も神戸国際大付に敗れる…旋風は4強で幕

[ 2022年7月27日 14:22 ]

第104回全国高校野球選手権兵庫大会・準決勝   神戸国際大付2―1加古川西 ( 2022年7月27日    ほっともっとフィールド神戸 )

<加古川西・神戸国際大付>延長の末、神戸国際大付(手前)に負け整列する加古川西ナイン
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 32年ぶりの旋風は、準決勝で終わりを告げた。1990年以来の4強入りを果たし、悲願の甲子園初出場を目指した加古川西は、延長12回の激闘の末、春夏通算8度の甲子園出場を誇る強豪・神戸国際大付の前に屈した。

 普通科公立校の普通の高校球児たちが、野球エリートがそろった強豪私学と、準決勝の舞台で互角にわたりあった。

 先発マウンドには、背番号10の左腕・横尾真之介(3年)が立った。「国際打線相手なら、横尾の方が通用する」。吉本純也監督を始めチームみんなで話し合い、出した結論だった。技巧派左腕は期待に応え、素早いテンポで丁寧にコースを突き、強振が目立つ相手打線に凡打の山を築かせた。4回に1点の先制を許したものの、直後に打線が反撃。1死二塁から4番・伏野大貴(3年)が放った中前適時打に、再び力を得た。7回4安打1失点と粘投し、試合を作った。

 8回からは今夏の躍進の原動力となった背番号1の本格派左腕・太田恭介(3年)が、バトンを受け継いだ。1失点完投勝利した25日の準々決勝・滝川二戦から中1日での登板となったエースも、再三のピンチを耐えた。延長11回まで、スコアボードに4つの「0」を並べた。

 だが、1―1のまま迎えた延長12回に力尽きた。安打と2与四球で1死満塁のピンチを迎え、打席には昨年の春夏の甲子園大会でも躍動した1番・山里宝(3年)。スクイズを許し決勝点を失った。

 加古川西にとって1974年以来48年ぶりの決勝進出、そして悲願の甲子園初出場は今回も夢と消えた。だが新たな歴史は紡いだ。ほぼ全部員が、地元中学の軟式野球部出身。「普通の」公立校が、ノーシードから進撃した。初戦で関西学院、準々決勝で滝川二と名だたる強豪私学を撃破し、最後も神戸国際大付と延長12回の激闘を演じた。出場150チーム以上の全国屈指の激戦区・兵庫で、32年ぶりの4強に入った。

 加古川西OBで、自身も90年夏に2年生1番打者として4強入りした経験を持つ吉本監督は「よく頑張ってくれました。本当にナイスゲーム」と後輩たちの奮闘を称えた。今年のチームが作った伝統も、必ずや後進に受け継がれる。学校近くを流れる加古川をイメージした水色のユニホームが甲子園で躍動する日も、決して遠くはないはずだ。

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2022年7月27日のニュース