例年以上に波乱続きの地方大会 「夏の怖さ」に直面した高校球児たちに思うこと

[ 2022年7月27日 08:30 ]

甲子園球場
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 第104回全国高校野球選手権(8月6日から17日間、甲子園)の地方大会も26日までに19地区の代表が決定し、終盤にさしかかってきた。今年は選抜出場校や強豪校のまさかの敗退が例年以上に目立っており、「夏の怖さ」を改めて感じている。主な各大会の波乱をまとめてみる。

 まずは北関東。茨城大会で、甲子園春夏26度の出場、通算2度の優勝を誇る名門・常総学院が初戦の科技学園日立との2回戦で延長10回の末にサヨナラ負け。1983年の創部から初の夏初戦敗退だという。これまで初戦を突破し続けていたことに驚いた。

 栃木大会では中止となった20年を挟んで夏10連覇中だった作新学院が準決勝で国学院栃木に延長10回でサヨナラ負け。「絶対王者」が敗れはしたが、小針崇宏監督は「3年生はよく頑張った。2年生がこの負けから何を学んでいくかだと思う」と前を向いた。また新たな歴史をつくっていくことに期待したい。群馬大会でも、夏は5連覇中と圧倒的な強さ誇った前橋育英が準々決勝で樹徳に、0―6で敗れた。

 その他、広島大会では夏の甲子園23度の出場で、4度の準優勝を誇る広陵が英数学館との3回戦で敗退。2年生四天王の一角で左の強打者・真鍋慧の活躍を甲子園で見たかったファンも多いはずだ。岩手大会の優勝候補だった花巻東が、最速152キロ右腕の斎藤響介(3年)を擁する盛岡中央に敗れ、こちらも2年生四天王の一人、高校通算74本の佐々木麟太郎も姿を消した。

 沖縄大会では同じく第1シードの沖縄水産が、未来沖縄に初戦敗退。また、長野大会では昨夏王者の松商学園が、継続試合の末に長野日大に初戦で敗れた。東東京大会でも、春季大会優勝の関東第一が都城東との準々決勝で敗れ、高校通算32本塁打を誇る井坪陽生(3年)は「相手にうまく打ち取られてしまった」と悔やんだ。

 実力差はあれど、やはり高校生同士。「絶対」はなく、地方大会を勝ち抜くのは難しいことだ。でも、3年生にとっては最後の夏であることは今も昔も変わらない。勝敗も大事だが、「思い切りやった」と悔いが残らない試合をしてほしい。ありきたりな言葉だが、心からそう思う。(記者コラム・田中 健人)

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2022年7月27日のニュース