阪神・中野 魂の走塁が勝利呼んだ! 足で“マー君攻略”盗塁、激走生還「なんとか還る気持ちで」

[ 2022年5月25日 05:30 ]

交流戦   阪神1-0楽天 ( 2022年5月24日    甲子園 )

<神・楽>6回、大山の適時打で中野がヘッドスライディングで生還(撮影・成瀬 徹)  
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 試合後、取材エリアに現れた阪神・中野のユニホームの左膝部分は泥にまみれ、ボロボロに破れていた。「試合中に破れてしまいました」。激走の痕は、勝利への貢献の証に他ならない。虎の子の1点をもぎ取ったのは、背番号51の「足」だった。

 スコアレスで迎えた6回。先頭打者で放った一、二塁間へのゴロを内野安打とした。マルテ、佐藤輝が倒れて一塁で動けなかったが、大山の打席の3球目にスタートを切り二盗に成功。ようやく得点圏に進んで重圧をかけると、大山の中前打で一気に三塁を回った。

 「打った瞬間は(中堅の)辰己選手の肩が強いことは分かっていたので、どうかなと思ったんですが、なんとか還る気持ちで走っていたので、よかった」。浅い当たりでクロスプレーも想定されたが、快足に強い気持ちも乗せた疾走で悠々、生還してみせた。

 長いトンネルを抜けたことで、視界も開けた。4回、先頭で入った第2打席に田中将のスプリットを捉えて左翼フェンス直撃の三塁打。実に5試合、20打席ぶりの安打をマークして勢いづいた。

 試合前には早出特打に参加。緩いボールを逆方向に打ち返すことを繰り返し、修正を図った。「左足に体重が残りすぎて右の腰が外側(一塁)に逃げてボールに入っていけないというのがあった」。藤井1、2軍巡回打撃コーチの助言も受けながら、限られた時間で最善の準備を整えた。

 8回2死一塁ではリーグトップに立つ今季10個目の盗塁に成功。昨季交流戦の“盗塁王”が最後までグラウンドを駆け、チームの勝利を目指した。「パ・リーグには良い投手は多いと思うので、ロースコアの試合になると思うんですけど、塁に出ること、後ろにつなぐことを、チームを勢いづけられるようにやっていきたい」

 中野の躍動がカギを握ることを証明した夜だった。(遠藤 礼)

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2022年5月25日のニュース