オリックスは“上がり目”しかない 杉本の言葉から感じるチームの進化

[ 2022年5月25日 07:45 ]

オリックス・杉本(撮影・尾崎 有希)
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 吉田正が離脱したオリックス。はた目には苦戦続きと映るが、“上がり目”しかないと感じている。

 そもそも、どん底と言っていいチーム状態で開幕を迎えた、というのが理由の一つ。3月下旬にT―岡田が故障、杉本、ラベロが不振。吉田正の後ろを託せる大砲の不在で、深刻な決定力不足に陥った。4月下旬からはコロナ禍で吉田正、杉本ら主力が続々と離脱する不運にも見舞われた。それでも、エース山本を軸とした投手陣の奮闘、野手陣の一丸姿勢でしのぎ、上位チームに食らいついてきた。

 打線が上向けば、状況は変わる。その兆しがある。杉本が21日の楽天戦で1カ月ぶりとなる2号ソロを放つなど復調気配で、新外国人マッカーシーも同戦で来日1号を含む3安打猛打賞。この、5月20~22日の首位・楽天との3連戦を、吉田正不在で3連勝を飾った事実が、予感させる。

 逆境を糧にしていることもプラス材料。取材に応じてくれた杉本の言葉から、チームとしての進化を感じた。

 「去年、正尚が故障離脱した時はチームの空気が、どんよりしたというか“終わった…”っていう感じでした。でも、そこで、みんなで頑張って優勝できたのがあるので、今年は正尚がいなくても、みんなで頑張ろうというのがある。いい意味で慣れてきたというか。あいつ(吉田正)のような活躍はできないけど、みんなで束になってかかれば勝てるというのがあるので。みんな、それを分かってやっています」

 昨季終盤に吉田正が故障離脱した際も、一丸姿勢で苦境を乗り切り、リーグ制覇。経験と実績に裏打ちされた、勢いだけではない“チームとしての地力”が確かに付いている。

 長いシーズンを戦う上で不測の事態も予想されるが、吉田正、T―岡田が戦列復帰すれば、戦力は増す。中嶋オリックスに、巻き返しの気配が漂っている。(記者コラム・湯澤 涼)

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2022年5月25日のニュース