阪神・西勇「チームのみんなで勝った」田中将との投げ合い制し交流戦で移籍後初勝利

[ 2022年5月25日 05:30 ]

交流戦   阪神1-0楽天 ( 2022年5月24日    甲子園 )

<神・楽>7回表終了後、アルカンタラが抑えて指を突きあげる西勇(右は渡辺)(撮影・坂田 高浩)
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 球数を費やしても、打球が直撃しても、先発・西勇の心は折れなかった。1―0の7回。無死一、二塁とされ、渡辺にマウンドを譲るまで、粘りの101球を投げ込み、無失点。リリーフ陣の支えもあり、4月27日中日戦以来、約1カ月ぶりの3勝目をつかんだ。

 投げ勝った相手は、通算3度目のマッチアップとなる田中将。11年7月7日は8回4失点で敗れ、13年10月8日は3回に右足首の不調で緊急降板を余儀なくされた。くしくも、その一戦で田中将は、シーズン24連勝目を刻んだ。悔恨の夜以来となる激突で、敬意すら抱く右腕に、初めて土をつけてみせた。

 「(田中将は)打席に入ったが、素晴らしい投手。タイミングだったり間だったり、勉強になることが多い」

 初回、先頭の西川に7球、続く小深田に8球、4番の島内には7球…。3回を終えた時点で西勇の球数は68。初回2死一、三塁、3回2死満塁、4回無死一、二塁と毎回のように得点圏に走者を背負い、7回先頭の炭谷の打球が左手首に直撃するアクシデントもあった。一方の田中将は3回を終えて35球。初回無死二塁、4回無死三塁も後続をピシャリ。一歩間違えれば、ワンサイドゲームになってもおかしくなかった。

 阪神移籍後の2年間で、6試合登板0勝2敗。最後の勝利はオリックス時代の18年6月15日DeNA戦までさかのぼる相性の悪さだった交流戦で、ようやく西勇が笑った。

 「本当に、自分が今日の試合にいたかな…というくらい、チームのみんなで勝ったという感じ。なかなか点を取られないように、必死に投げるだけ」

 謙虚に仲間を称えた右腕。その視線は、早くも次戦に向いた。 (八木 勇磨)

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2022年5月25日のニュース