巨人・菅野が取り戻した宝刀スライダーへの自信 「この上ない喜び」球団最多の開幕戦5勝

[ 2022年3月25日 23:00 ]

セ・リーグ   巨人4―2中日 ( 2022年3月25日    東京ドーム )

<巨・中1>巨人先発の菅野(撮影・久冨木 修)        
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 右打者の左肘を目がけると、外角低めに制球できるという。巨人・菅野は19年に刊行された「菅野智之のピッチングバイブル」の中で、スライダーを投げる際に「一番大事なのは親指。最も力が入るところを探して止める」と明かしている。

 昨年はケガに悩まされ4度、出場選手登録を抹消された。プロ入り後、自己ワーストの6勝(7敗)に終わりチームも優勝を逃した。「去年はスライダーが曲がらなくて苦しんだ」と不本意なシーズンだった。

 だから、オフに入ると指先を鍛えるトレーニングを取り入れた。加えて宮古島での自主トレでは砂浜を裸足で走り、土台も強化した。

 1月28日。宮崎での合同自主トレ初日にブルペン入り。指の掛かりは上々だった。右手中指の爪が割れたことが物語る。

 2月26日。5年連続の開幕投手が決まった。原監督は「(握手したら)強く握り返してきた」と指先から決意を感じ取った。

 迎えた8度目の開幕の舞台。「緊張して、どういうふうにマウンドに上がったか覚えていない」と明かした。5回に味方が逆転すると、6回1死二、三塁のピンチを招いた。石川昂をスライダー2球で追い込むと、1―2からの4球目は首を3度振って、137キロを外角に決めた。空振り三振。続く京田も内角へのスライダーで詰まらせて遊飛。無失点で切り抜けた。

 通算310勝を挙げた別所毅彦、プロ野球記録の11試合連続完投勝利など「ミスター完投」の斎藤雅樹を上回り、球団新記録の開幕戦5勝目。「本当に喜ばしいことだと思いますし、大好きなジャイアンツでこういう記録を残せるのはこの上ない喜びです。監督にも勝利を届けられてので良かったです」

 6回7安打2失点。18個のアウトの内、10個がスライダー。悔しさしか残らなかった昨シーズン後から、約4カ月、この日のために周到な準備を進めてきた。スライダーへの自信を取り戻す、大きな1勝になった。(川島 毅洋)

 ▼巨人原監督(菅野は)いい形で味方が逆転してくれたというね。そこにギアを上げてくれた。粘り強く、まさに粘り強く2点で抑えてくれた。(6回のピンチは)代えるつもりはなかった」

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