大阪桐蔭を苦しめた　鳴門エース左腕・富田が粘投3失点　今年初の対外試合「自信」胸に聖地去る

第94回選抜高校野球大会第6日第1試合・1回戦   鳴門1－3大阪桐蔭 （ 2022年3月24日    甲子園 ）

＜大阪桐蔭・鳴門＞力投する鳴門の先発・冨田（撮影・後藤　大輝）
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　入魂の投球が優勝候補を捨て身にさせた。鳴門の最速142キロ左腕・冨田遼弥が、大阪桐蔭打線を苦しめた。8回には追加点のために、スクイズを敢行させたほどだ。「桐蔭さんのブラスバンドの音も、自分への応援だと思って投げた」。3失点の粘りの投球で持ち味を発揮した。

　冬に精度向上に取り組んだスライダーと直球で逃げることなく内角を攻めた。コロナ下の県方針で3月の練習試合解禁後も試合ができず、この日が今年初の対外試合。それでも中学から続く土肥憲将とのバッテリーで、実戦不足をカバーした。

　森脇稔監督に「アゴを緩めるくらい楽しんでこい」と送り出された笑顔のマウンド。プロ注目の松尾汐恩との対戦も、5回1死二塁で三邪飛に仕留めるなど3打数無安打に抑えた。阪神・畑山俊二アマ統括スカウトからも「将来性を感じさせる左腕」と評価された。

　「出来は90点くらい。優勝候補に投げ切れたのは自信になった。これからの練習につなげていきたい」。日本ハム・新庄BIGBOSSの下で活躍する先輩・河野に追いつく夢を膨らませ、聖地を後にした。（鈴木　光）