広陵の“ボンズ”真鍋　打線に点火期待も1安打で散る…中井監督「ショックです」

第94回選抜高校野球大会第6日第3試合・2回戦   広陵1－4九州国際大付 （ 2022年3月24日    甲子園 ）

＜広陵・九州国際大付＞6回1死、広陵・真鍋は二ゴロに倒れる。一塁手佐倉（撮影・北條　貴史）
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　力の差を感じた。広陵の2年生4番・真鍋慧は、胸を張って校歌を歌う佐倉侠史朗に視線を送った。大会注目の「四天王」対決で敗れた。3安打の佐倉に対し真鍋は1安打0打点。広陵のボンズに甲子園は宿題を課した。

　「意識はしていなかった」と語ったが、どうしてもその打撃に注目が集まった。一塁ベース上で6度、ライバルと肩を並べ、「でかい」と感じた。「体力があるし、打撃でも対応力があった。その対応力は付けていかないと」と心に誓った。

　左腕・香西一希に幻惑された。初回は変化球を見逃し三振。第4打席では3球続いたスライダーを逆方向へ左前打も、4番として打線に火をつけることができず。何度も唇をかんだ。そんな真鍋に対し、中井哲之監督はあえて厳しい言葉を選んだ。「ここまで打てないとは思わなかった。ショックです。もっと努力しないと」。期待しているからこそだ。

　昨秋から「四天王」と呼ばれる同期全員との対戦を経験した。神宮大会準決勝で花巻東・佐々木麟太郎と本塁打を共演し、同決勝では大阪桐蔭・前田悠伍から右前打。そして、この日の佐倉。「注目されることはありがたいけど、チームが勝つことが最優先。チャンスでランナーを還せる打者にならないと」。2年の春、ボンズは越えなければならないものを知った。（鈴木　光）

　◇真鍋　慧（まなべ・けいた）2005年（平17）6月17日生まれ、広島県出身の16歳。みどり坂小1年から瀬野ソフトボールクラブでソフトボールを始め、瀬野川東中では安芸リトルシニアに所属。広陵では1年夏からベンチ入りしレギュラー。50メートル走6秒3、遠投105メートル。高校通算11本塁打。1メートル89、91キロ。右投げ左打ち。

　《今秋ドラフト候補の森山　粘投実らず》
　今秋ドラフト候補のエース右腕・森山陽一朗は7回2失点と粘ったが、10安打を浴びるなど要した球は139を数え「計算はしていましたが、多すぎました」と肩を落とした。2回に許した逆転2点打にも「まだ（自分の）レベルが低いなと思いました」と反省した。ただ阪神の畑山俊二アマ統括スカウトが「まだ球速も上がりそう」と評したように伸びしろは豊富。「甲子園に戻ってきて日本一になるのが目標」と夏に視線を向けた。