隠れM1のオリックス 27日「待ち優勝」へ、監督、選手ら午後6時京セラ集合し25年ぶり天命待つ

[ 2021年10月27日 05:30 ]

25日、今季最終戦を勝利し、ファンの拍手にこたえるオリックス・中嶋監督(手前)らナイン(10月25日撮影・坂田 高浩)
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 オリックスは26日、遠征先の仙台から帰阪し、全143試合を戦い抜いた心身を休めた。きょう27日にロッテが楽天に敗れれば、25年ぶりのリーグ優勝が決まる。全日程終了後の優勝なら、88年の西武以来。33年前は合併で消滅した近鉄が涙をのんだ伝説の「10・19」が球史に残る。さまざまな因縁が絡み合い、運命の日を迎える。

 オリックスは山本の完封勝利でレギュラーシーズンを締めた楽天戦から一夜明け、仙台から空路で帰阪した。優勝マジック3で残り3試合を戦う2位・ロッテが1敗した時点で優勝が決まる。つまり“隠れマジック1”の状況だ。きょう27日は運命の1日目。練習はせず、午後6時開始の楽天―ロッテに合わせて、中嶋監督や首脳陣、選手らが本拠地・京セラドームに集まり、歓喜の瞬間に備えることが決まった。

 全日程終了後の“待ち優勝”なら、88年の西武以来だ。33年前は仰木彬監督に率いられた近鉄が2連勝で優勝だったロッテとのダブルヘッダーに1勝1分け。「10・19」は球史に残る1日になった。

 近鉄は04年にオリックスと合併して消滅しても「バファローズ」の名は引き継がれた。中嶋監督は亡き仰木氏のもとで95年のリーグ優勝、96年の連覇&日本一に正捕手として貢献した縁もある。しかも、優勝を争うのはロッテで、その対戦相手は球界再編で分かれた楽天と、さまざまな因縁が絡み合う1日となりそうだ。

 主砲の吉田正、先発陣の柱を担うはずだった山岡が故障離脱。苦境でも「全員で勝つ」を合言葉に2年連続最下位からの大躍進を遂げた。特に昨季5勝18敗1分けのロッテには10勝10敗5分けの五分で渡り合い、中嶋監督は「去年こてんぱんにやられた。何とか食らいついていきたいと思っていたし、(残り3試合のロッテに)負けてくれ…とは思えない。本当にいい戦いができた」と敬意すら寄せていた。25年ぶりの頂点へ、天命を待つだけだ。(湯澤 涼)

 《ロッテとの因縁 仰木さんの無念晴らす》▽近鉄の「10・19」 88年は首位の西武が10月16日に全日程を終了。2位の近鉄は残り3戦全勝が優勝条件となり、18日はロッテに勝利。19日は川崎球場でロッテとのダブルヘッダーに挑んだ。第1試合は3―3の9回に梨田の決勝打で勝利。午後6時44分から始まった第2試合は8回にブライアントの本塁打で勝ち越した直後、高沢に同点被弾。午後10時56分、延長10回4―4で引き分けた。「試合開始から4時間を経過して新しいイニングに入らない」という規定があり、9回にけん制死の判定を巡ってロッテ・有藤監督が抗議を9分間続けたことも議論を呼んだ。熱戦の裏で夕方には阪急がオリエント・リース(89年4月にオリックスに社名変更)に球団を売却する発表もあった。

 《他力優勝は過去2球団だけ》25日に首位で全日程を終了したオリックスは、きょう27日にロッテが楽天戦で敗れると96年以来25年ぶりの優勝が決まる。全日程終了後に、他球団の結果待ちで胴上げとなった他力優勝は、過去に66年南海、88年西武の2球団だけ。オリックスが優勝すれば史上3球団目。

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