ソフトバンク工藤監督「努力の先にあるのも未来」 信念貫いた7年の監督生活に幕

[ 2021年10月27日 19:29 ]

<ソフトバンク工藤監督退任会見>王会長から受け取った花束を手に感極まった表情の工藤監督
Photo By 代表撮影

 白髪交じりの頭に黒のスーツ姿。ソフトバンクの工藤公康監督は登壇するなり「今は抜け殻のようになってる感じかと思います」と苦笑した。もがき、必死に戦い抜いた名将の顔は清々しかった。

 「幸せな7年間を過ごすことができ、感謝を申し上げたい。選手は頑張った。僕を彼らが変えてくれた。敗戦の責務は将が追うものと思っていた。力のなさが僕の力、今の実力。責任を私が取るのが再スタートを切れると思い、ここにいます」

 自らで白黒付けた。今春キャンプ前の1月31日。5年連続日本一、リーグ2連覇への思いを選手に伝えた。「今年が何より大事な年になる。どのチームも“ホークス倒せ”で来る」。熱は伝わるがコロナ禍に加えて故障者が続出。攻守で空転した。9月30日から1分けを挟み8連敗。10月10日に止まったが、来季続投を願う球団に対して、この期間に固辞し、言った。「申し訳ありません。責任を取るような形にしたいです」。覚悟を決めた。

 15年からの指揮で唯一の自負、財産を「自分の中では練習量。選手に厳しいことを課した」と振り返った。就任年にリーグ優勝も翌年は2位。オフに考え込み、現役時代の原点に戻った。4球団を渡り歩き“優勝請負人”と言われた左腕。結果は華やかだが「いつまでやっても終わらない練習に文句もあった」。練習しかなかった。

「一番、苦しい思いをしたチームが勝つんだ」。当時の監督の言葉を思い返し実践した。

 「人より上に行く、抜くとかは練習すること。技を身につけるのも心を磨くのも体を鍛えていくのも練習しかない。彼らの未来を作る信念みたいなもの、それくらいしかない」

 来季から藤本新監督のもと常勝に加え、若手育成にも力を注がれる。今季、投手では笠谷、杉山、野手は栗原、笠谷、リチャード、三森ら25歳以下の若手が台頭した。会見の締め。前指揮官は努力の大切さを説いて、ホークスの未来を託した。

 「選手は8、9割は苦しいことばかり。楽はできない。そこに向き合うのが野球選手。努力の先にあるのも未来。ホークスは常に勝たないといけないチーム。これでいいもんは、ない。常に勝ち続けられるように信念、たくさんの思いを背負って戦い続けて欲しい。あきらめたら、そこで終わり」。工藤監督の不撓(ふとう)不屈の闘志。選手は絶対に、忘れない。

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