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日本ハム・栗山監督10度舞い 本拠ラスト采配で劇的勝利 「誇りを持ってユニホームを脱げる」

[ 2021年10月27日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム1-0西武 ( 2021年10月26日    札幌D )

<日・西>ホーム最終戦セレモニー、選手らに胴上げされる栗山監督(撮影・高橋 茂夫)
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 今季限りで勇退する日本ハムの栗山英樹監督(60)が26日、本拠地ラスト采配を振った西武戦で1―0のサヨナラ勝利を収めた。試合後は12年の就任から10年間、手塩にかけて育ててきたナインの手で10度胴上げされた。日本一の16年を含めリーグ優勝2度で通算682勝は球団最多。ともに感動し、ともに悔しがり、ともに夢を見続けてきた北海道のファンに別れを告げた。

 万感の思いで宙を舞った。10年で計51人のコーチ、計192人の選手とかかわった。私心を捨て、選手のためにと心を鬼にして向き合ってきた。活躍した選手以上に活躍させてやれなかった選手の顔が浮かんだ。監督をやっていいのか、自問自答の日々だった。厳しく接してきた選手から感謝を伝えられ、安どの表情を浮かべた。

 「彼らに会えて良かった。選手がみんなすげー嫌な顔をしていなかった。ちょっとホッとした。誇りを持ってユニホームを脱げる。感謝しています」

 先発・上沢が8回2死まで無失点に抑えたところで球審に投手交代を告げると、監督生活で初めてマウンドへ向かった。「最後はどうしても宮西にボールを渡したい」。宮西は指揮官と親交のあるさだまさしが歌う「道化師のソネット」を登場曲に選び、14年連続50試合登板となるマウンドに出てきた。「ミヤの場合は本当に戦友なので。ありがたいね」。宮西が抑えてベンチに戻ると宮西、上沢と抱き合い、涙した。

 札幌ドームの監督室に日本ハム初代球団社長で尊敬する三原脩さん直筆の言葉がプリントされた袱紗(ふくさ)が額に入れて飾られている。「日々新たなり」。偵察要員やワンポイントリリーフなど新たな戦術を生み出した三原さんが「魔術師」と称された原点だ。栗山監督も批判を受けながらも大谷(現エンゼルス)の二刀流としての才能を開花させ、既成概念にとらわれない采配を見せてきた。

 策を巡らせてきた監督室を片付ける日がきた。「必ず強いファイターズが戻ってくる。新球場に行く頃には常勝チームになってなきゃいけない。野球は勝たなきゃ面白くもなんともないから」。本拠地ラスト采配は劇的勝利。10年間、真摯(しんし)に野球と向き合った指揮官へ、野球の神様からの贈り物だったに違いない。

 あと2試合を終えると、チームを応援する一人になる。今後に向けて「(道内の)それぞれの街を回ってとか、いろんなことを考えている」と話した。この日は1万3380人のファンに感謝を伝えたが、退任後も感謝の気持ちを伝えたい考えだ。(東尾 洋樹)

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