今もつながる…川上哲治氏が紡いだ地元・熊本と巨人の縁

[ 2020年9月22日 09:00 ]

9月1日に東京ドームで開催された川上哲治生誕100年記念試合。サヨナラ勝ちし、声援に応える原監督
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 巨人・原監督が監督通算勝利数で1066勝の川上哲治氏を抜いて球団歴代1位に立ったのが9月11日。その10日前の1日は、東京ドームでのDeNA戦が「川上哲治生誕100年記念試合」として開催された。首脳陣、選手の全員が、川上氏の現役時代の背番号で永久欠番でもある「16」のユニホームを着用し、劇的なサヨナラ勝ち。球団のレジェンドに勝利を捧げた。

 この背番号「16」での試合は元々、4月8日に川上氏の地元・熊本で開催される予定だった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で惜しくも中止になった。地元では昨年から「川上哲治生誕100年記念事業」として企画展やトークショーなどを開催し、地域の偉人を称える機運を高めていた最中だった。

 この事業を裏で支え尽力してきた実行委員会会長の岡本光雄氏(73)は、4月の試合中止について「(記念事業の)集大成のような位置付けだった。本当に残念でした」と振り返る。9月の試合開催に向けては、球団とも話し合いを重ね「節目の年だったので私から“やって下さい”とお願いした」という。

 99年に川上記念球場(熊本県人吉市)の建設に携わったことがきっかけで、川上氏と長く交流した岡本氏も「神様ですよね。雲の上の存在」というほど、その名前は地元にとって特別なものだ。地元では叶わなかった試合が本拠地・東京ドームでの開催が決まり「本当にありがたい。背番号16が復活するのが嬉しい」と喜んでいた。

 人吉市は7月の豪雨で甚大な被害を受けた。これを受け、選手らが着用した「16」のユニホームは慈善オークションに出品され、収益が復興義援金に充てられる。川上氏が紡いだ地元と巨人の縁は、今もつながっている。(記者コラム・田中 健人)

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