中畑清氏 観客のためセ・リーグ5球団は「巨人包囲網」張り集中を

[ 2020年9月22日 05:30 ]

スポニチ評論家の中畑清氏
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 【キヨシスタイル!】球場の入場制限が緩和されてつくづく思う。野球ってやっぱりスタンドにお客さんがいて、その歓声で盛り上がるんだ。歓声の度合いを決めるのはグラウンドのプレー。そういう意味では、残り40試合ほどになったこれからの見せ方が凄く大事になってくる。

 1位と2位によるCS(クライマックスシリーズ)がある上に首位ソフトバンクを2位ロッテが1・5ゲーム差で追う展開のパ・リーグはともかく、CSのないセ・リーグは巨人が完全な独走態勢に入っている。

 21日現在で2位阪神に10・5ゲーム差をつけ、マジック31。CSが導入された2007年以降、下位にいる球団も3位を目指して最後まで頑張れたけど、今年は1位になるしかない。

 怖いのは目標を失って集中力を欠くことなんだよ。イージーミスに怠慢プレー。いかにも消化試合ですという空気をつくられたら、やっとチケットが手に入るようになったお客さんはたまったもんじゃない。

 OBとしても人数制限が緩和されて逆に閑古鳥が泣く環境になったなんて事態は絶対に避けてもらいたい。

 いかにお客さんに最後まで球場へ足を運んでもらうか。選手は打率を1厘でも上げるとか何でもいい。明確な目標を設定してモチベーションを高めてさ。ワンプレー、ワンプレーに集中してほしい。

 もし内野ゴロで一塁まで全力疾走しない選手がいたり、ちんたらしたプレーが飛び出したら、選手同士でヤジったりしてね。みんなで怠慢プレーを許さないという空気をつくり出してほしいね。

 ベンチも2位以下の5球団はジャイアンツ包囲網を張るべきだと思う。みんな巨人戦にエース級をぶつけてさ。簡単には優勝させないぞという姿勢を見せて、胴上げを1日でも遅らせる。ここまで独走を許してきた5球団の義務だよ。
 Jリーグとともにスポーツイベント開催のモデルとして期待されているプロ野球。来年に延期された東京五輪・パラリンピックにつなげる意味でも注目されている。ベンチも選手も目的意識をしっかり持って、最後まで最高のプレーを見せてもらいたい。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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