阪神・島田 プロ初盗塁 同期入団の馬場にプロ初勝利を呼んだ

[ 2020年8月3日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-1DeNA ( 2020年8月2日    甲子園 )

18年春季キャンプで新人だった馬場(左)と島田(右)はそろって1軍入りし、沖縄へ到着

 記念すべき初盗塁が連敗ストップに結びついた。

 1点劣勢の6回無死一塁から糸井が右前打して一、三塁となり、一塁代走に送られたのは3年目の島田だ。失敗すれば流れを手放しかねない状況だったが、次打者サンズの4球目で果敢にスタートした。間一髪のタイミングで判定はセーフ。プロ初盗塁をもぎ取り、思わずガッツポーズが飛びだした。

 「いつでもいけたらいけというところで、スタートがうまく切れたらいこうと準備は前もってできていた。アウトになったらどうしようとか何も考えずに、成功するイメージだけ持って入れたので決まったのかなと思います」

 この二盗が勝敗を分けたといっても過言ではない。直後に大山の右翼前への打球で一気に生還。決勝点となるホームを踏み「得点に結びついた点では僕の盗塁が生きたのかなと思うんで、そこは自信になりました」と胸を張った。

 俊足を売りに入団した17年ドラフト4位も、2年間で1軍出場は19試合にとどまった。俊足をアピールする場は少なく、18年10月3日の広島戦で二盗失敗の記録が残るだけ。くしくもこの日、2年間で4登板だった馬場がプロ初勝利。「(馬場は)同期で一緒にやってきた仲なので僕もうれしいですし、やっぱり思い入れはあるので。本当にうれしい勝利になったと思います」。昨年ともに台湾でのウインターリーグに参加した戦友との躍動に、喜びもひとしおだった。

 ルーキーイヤーの18年に2軍指揮官だった矢野監督も「打ったのは大山ですけど、MVPは島田の盗塁かな。むちゃくちゃデカいよ。1点負けている状況であそこで走る勇気と、実際そこでセーフになるのは、本当にプロ」と教え子の値千金のスチールを手放しで称賛した。かつて赤星憲広氏が背負った背番号53が輝いた、甲子園の夜だった。 (阪井 日向)

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