ロッテ・安田に漂う「覚醒の予感」 井口監督の“我慢”が実を結ぶか

[ 2020年8月3日 09:00 ]

7月7日の西武戦で今季1号となる2ランを放ったロッテ・安田
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 若手を育てるためには、試合で使うしかない。経験も実績も足りない若い選手が、簡単に結果を残せるほどプロ野球の世界は甘くない。

 そんな先入観を消そうとしても、結果が出なければ、やはり使い続けることは難しい。チームの調子が良ければ我慢できても、勝てない時期が続けば、チームが崩壊してしまう。ファンだけでなく、選手からも不満が出てくるからだ。

 担当記者として近くで見ていると、ロッテ・井口監督は我慢強い人だと思う。7月21日の西武戦から4番に抜てきしている3年目・安田から「覚醒の予感」が漂っている。我慢した甲斐があったといえる。

 8月3日の時点で打率・235。ファンがこれをどう評価しているか分からないが、約1カ月前の7月5日時点で安田は20打数1安打で打率・050だった。9試合連続でスタメンからも外れていた。

 昨年は2軍で本塁打と打点のタイトルを獲得したが、それでも残した打率・258。パワーは申し分なくても、2軍で4打数1安打ペースの打者が、レベルが格段に上がる1軍投手を相手に、どれだけ対応できるかは予測不能だ。

 1軍で出場機会が減るならば、2軍で実戦経験を積んだ方がいい。将来性のある若手ならば、なおさらだ。普通ならば、そう考えるところだが、井口監督は安田を2軍に落とさなかった。

 7月7日の西武戦で10試合ぶりにスタメンで起用された安田は今季1号を放った。ルーキーだった18年年以来となる2年ぶりのアーチだ。

 能力の高い選手は、きっかけさえつかめば活躍するという。しかし、春先のオープン戦でも安田は打率・136だった。

 ただ、何がきっかけになるかは分からない。井口監督は「我慢も時には必要」という。開幕直前に行われた6月16日の巨人との練習試合で代打アーチを放ったことを評価し、「(4、5月の)自粛期間で調子を戻してきた。今年は上のレベルで合わせていかなくてはいけない」と殻を破ってくれると信じた。

 まだ、安田の才能が開花したというのは早いだろう。それでも、6月の月間打率・053、7月は同・289、8月は同・250と昨季の2軍と同程度以上の確率を残せるようになった。

 ロッテファンにとって7月7日は、プロ野球史上初の17連敗を喫した「七夕の悲劇」で有名なだが、近い将来、球団史上最強となる4番が「目覚めた日」として語り継がれるようになるかもしれない。(記者コラム・横市 勇)

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