西脇工 左腕・東田が3試合連続完封、29イニング連続無失点 スカウトも将来性評価

[ 2020年8月3日 22:28 ]

令和2年度夏季兵庫県高等学校野球大会3回戦   西脇工6―0社 ( 2020年8月3日    明石トーカロ )

<西脇工・社>社エース・牛尾を打ち取り思わず声が出る西脇工・東田
Photo By スポニチ

 西脇工の最速141キロ左腕・東田健臣(とうだ・けんしん)投手(3年)が9回6安打7奪三振で3試合連続完封勝利。今夏初戦からの連続無失点を29イニングに伸ばし、4回戦進出を決めた。

 「8回で代わるかと聞かれたけど、疲れがなかったので続投させてもらった。制球が乱れた場面は自分の甘さです」

 好投にも反省の弁だが、7四死球だった2回戦から調整し、この日与えた四球は3つ。前半は高めに浮いていた球も後半は丁寧に低めに集め、修正力の高さも見せた。

 初戦は13奪三振、前戦は15奪三振だったが、この日奪った三振は7個。これまでは直球を追い込んでからの“決め球”として用いていたが、カットボールなど、直球に近い変化球で芯をずらし、打たせて取る投球を心がけた。最速は140キロを計測。出塁を許しても後続を断ち、一度も三塁を踏ませなかった。

 投げ合った社のエース・牛尾力也(3年)とは実家同士が近く、幼稚園からの“親友”。お互い切磋琢磨(せっさたくま)しながら野球を続け“ライバル”としても意識するようになった。西脇南中時代は牛尾がエース、東田が2番手。それぞれがエースとして相まみえるこの日を心待ちにしてきた。

 「意識はしていました。自粛期間中も2人で自主練をしたり、(対戦を)ずっと楽しみにしていた」

 牛尾は2回0/3を3安打1失点で降板。投手と打者としての対戦も1打席ずつにとどまったが、東田は牛尾が打席に入った際にはわずかに口元を緩め、対決を楽しんだ。

 この日は中日、日本ハム、西武のスカウトが視察。中日・山本将道スカウトからは「去年より投げ方がよくなっている。クセもないし、これからが楽しみ」と将来性を評価された。今大会は5回戦までで行われるため頂点は存在しないが、目指すは行ける限りの“一番上”。「勝ち進むと点は取られると思う。それでも試合のリズムだけは作りたい」。0を並べるよりも、チームを勝たせる投球に全力を注ぐ。

続きを表示

2020年8月3日のニュース