巨人・岡本 恩師に届け!決勝二塁打&ダメ押し打&激走生還「皆さんを元気にできるプレーを」

[ 2020年6月21日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人11-1阪神 ( 2020年6月20日    東京D )

<巨・神>7回2死満塁、陽の適時打で生還する岡本(右)=撮影・木村 揚輔
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 巨人・岡本和真内野手(23)が20日の阪神戦の4回に今季初安打となる決勝の左翼線適時二塁打を放った。7回にもダメ押しの右前適時打を放ち、2安打2打点の活躍。原辰徳監督(61)から若大将を受け継いだ若き主砲が、球団6001勝目に貢献。新型コロナウイルスの影響で3カ月遅れで開幕したシーズンを連勝発進に導いた。

 21日の父の日を前に雄姿を届けた。1―1の4回1死三塁。岡本が岩貞の内角スライダーを思い切り引っ張った。強烈な打球が左翼線に転がる。巨体を揺らして悠々と二塁ベースに到達し、少し笑みを浮かべた。

 「何とか、ランナーを還そうと思っていたので、それが結果的にヒットになってよかった。1本出てホッとした」

 今季6打席目で飛び出した初安打が決勝打。4―1の7回2死満塁でもダメ押しの右前適時打を放った。打線がつながり、この回、阪神戦では5年ぶりとなる1イニング8得点。23歳の4番打者が、伝統の一戦で連勝スタートを呼び込んだ。

 親のように慕う恩師に元気な姿を届けた。新型コロナウイルス感染が拡大していた4月。中学時代に在籍した奈良・橿原磯城リトルシニアの松本宗弘会長(62)から体調を心配する連絡があった。奈良に帰郷するたびに食事をし、今年のオフにはゴルフに行く約束もしている仲。電話で「僕は大丈夫です」と伝えた。

 今年は予定が合わず、実現しなかったが、昨年1月3日には古巣のグラウンドを訪問。打撃練習やノックをして子供たちと触れ合い、「お父さん、お母さんに感謝しないとあかんで」と声を掛けた。現在はコロナ禍で、思うように活動できない日々。岡本の活躍する姿が、後輩たちや松本会長を何より元気づけるはずだ。

 兄貴分の姿に勇気ももらった。新型コロナウイルスの陽性反応を示し、12日に退院したばかりの坂本が開幕2試合で4安打の活躍。前日の試合前ミーティングでは言葉で鼓舞する主将の姿に「頼もしい。いろいろ大変やったと思いますけれど、結果を出すのは凄い」と尊敬のまなざしを向ける。

 開幕戦で球団通算6000勝に到達。新たな歴史の第一歩となる6001勝目の中心にいたのは岡本だった。「まだ始まったばかりですけれど、皆さんを元気にできるプレーをしたい」。暗い話題が先行した20年、ファンに光をともす一打を放ち続ける。(青森 正宣)

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