西武・森を東尾氏が直撃!捕手史上4人目首位打者目前 攻守の切り替えの秘けつは?

[ 2019年9月25日 10:30 ]

西武・森&東尾修氏対談

笑顔でポーズを決める東尾氏(左)と森(撮影・尾崎 有希)
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 西武の連覇は、いまやリーグ最強の「扇の要」ともなった森友哉捕手(24)の存在抜きには語れない。炭谷が巨人にFA移籍し、今季はここまで126試合でスタメン出場。打っても捕手として史上4人目の首位打者が目前となっている。そんな獅子の若き司令塔を、球団OBで元西武監督の東尾修氏(69=スポニチ本紙評論家)が直撃した。

 東尾 優勝おめでとう!チーム防御率は2年連続リーグ最下位。この数字で連覇は異例だ。苦労したのはどういうところ?

 森 投手のいいところを引き出すのはもちろん、まず試合をつくらないといけない。ウチの打撃陣は凄いので、最少失点で抑えれば勝ちが見えてくる。ゼロに抑えようというのはほぼなかった。最少失点で、と常に考えていました。

 東尾 苦労しただろうな(笑い)。でも、この経験は「捕手・森」にとってこの上ない財産。悩んで、苦しんで…。今後の野球人生にプラスだ。

 森 去年は半分くらい(81試合)でしたが、今シーズンは、ほぼフルで(先発マスクを)かぶらせてもらった。秋元(バッテリーコーチ)さんとも話をしながら、ああしよう、こうしようと試行錯誤しながらできた。凄くいい経験になったと思います。

 東尾 今井、高橋光、松本航ら、西武は若手期待の投手が多い。育ったら面白いし、本当の配球はそこから始まると思う。ところで捕手は重労働だ。疲れは?

 森 めちゃくちゃ感じています。でも、どーっと疲れが来るのは試合が終わってから。試合中、それも僅差だったら疲れは感じないです。

 東尾 打撃では捕手として4人目の首位打者も目前。切り替えは大変だろう。

 森 もう、割り切っていますね。守りは勝ちたいとか抑えたいという気持ち。打撃になると、シーズン序盤は5番で最後は3番。そこでもしっかり結果を出さないといけない。とにかく割り切ってやっています。

 東尾 切り替えのうまさは関西人ならではだろ(笑い)。

 森 最初は全然できなかったんです。去年ぐらいからようやく…。入団当初は「打撃なんかどうでもいい」という感じで。「試合に勝てればいい」と思っていたので。去年ぐらいから守りも打つ方もしっかりしたい、となりました。

 東尾 言葉で言うのは簡単だけどね。具体的に教えて。

 森 一番は単純に成績、数字を上げたいと。守りは防御率、試合の勝ち負けになってきますけど、打撃で言うと、目標は3割。そこに近づけるようにと思っています。

 東尾 性格的に「まあ、ええやないか」とはならない。

 森 仮に投手がストライクが入らない、構えたところに来ない。それで打たれても、投手のせいだけにはできない。試合中、試合後も、“自分も何かできたんちゃうかな”とずっと思っていましたし、今年はそれを凄い感じました。去年は本当にがむしゃらで、必死。今年はずっとマスクをかぶらせてもらっているので。

 東尾 炭谷も抜けた。責任感が支えていたのだろう。

 森 それもあると思いますね。

 東尾 ついに優勝チームの正捕手になった。入団時に将来像とかはあった?

 森 プランは立たなかったです。最初は2軍で試合に出させてもらったけど、エラーとかばっかりで…。(炭谷)銀仁朗さんが正捕手で「この人には勝てないな」とずっと思っていました。

 東尾 正直、打つ方では負けないと思っていたのでは?

 森 一番の武器はバットなので。そこで負けたら何もないとは思っていました。でも、今年は意識的な部分も含めて何も変えていない。なんでここまで結果が出るのか、正直分かっていないです。

 東尾 打って守ってと野球漬けの日々。普段、食事とかはどうしてるの?

 森 いつも球場で食べています。一人暮らしの人のために、栄養士さんもついていて、しっかりした食事が出ます。昼飯はコンビニです。

 東尾 毎日?うそだろう。俺なんか終わったらすっ飛んで外にメシを食いに行っていたのに…。

 森 僕はそんな体力がないですね(笑い)。

 東尾 打撃と守備の切り替えも大事だけど、野球とそれ以外の切り替えも必要。趣味とか、リラックス法は?

 森 趣味も別にないんです。野球関係者じゃない人、野球を全く知らない人と会ったり、食事をしたりですかね。それなら野球の話にならない。

 東尾 女性が多いんじゃないのか?(笑い)。次は昨年達成できなかった日本一。OBとしても応援しています。

 森 頑張ります。

 ◆森 友哉(もり・ともや)1995年(平7)8月8日生まれ、堺市出身の24歳。大阪桐蔭で1年秋から正捕手を務め、2年で甲子園春夏連覇。3年は春、夏ともに3回戦敗退も歴代5位タイの春夏甲子園通算5本塁打を放った。高校通算41本塁打。13年ドラフト1位で西武に入団。1メートル70、80キロ、右投げ左打ち。

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