西武、史上初の時代またぎ連覇!最大8・5差逆転 辻監督「選手たちがビックリするくらい頑張ってくれた」

[ 2019年9月25日 05:30 ]

パ・リーグ   西武12―4ロッテ ( 2019年9月24日    ZOZOマリン )

胴上げされる辻監督(撮影・長久保 豊)
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 西武は24日、2年連続23度目のリーグ優勝を果たした。優勝マジック2で迎えたロッテ戦に12―4で勝利し、2位ソフトバンクが楽天に敗れた。7月に最大8・5ゲーム差をつけられながら、強力打線を武器に9月以降はソフトバンクとの壮絶なデッドヒートを制した。就任3年目の辻発彦監督(60)は選手の特長を生かす采配で、球団では97、98年以来、21年ぶりとなる2連覇を達成した。

 ゆっくりとマウンドの歓喜の輪に入った。昨季は試合に敗れて2位ソフトバンクの敗戦で優勝。この日は12得点の猛攻で勝利をつかんだ獅子たちの手によって、千葉の夜空を10度舞い、はじける笑顔で選手と抱き合った。

 「選手たちがビックリするくらい頑張ってくれた結果。投手がもがいて頑張って、主力が1年間戦い抜いた精神力と肉体的強さが連覇につながった。私は頑張れ、頑張れというだけで何もしてません。正直優勝は厳しいなと思ったこともあったが、選手たちは諦めず戦ってくれた」

 信頼し、我慢した。今季はエースの菊池、打点王の浅村、そして捕手の炭谷が抜けた。「投打の主力や捕手、センターラインが抜けた不安は大きかった」。先発では高橋光、今井の若手を起用し続けた。不安を払しょくしたのはそんな選手の成長だった。「今年、全然苦しくなかったよ。プレッシャーは全然。天と地ぐらい、昨年と比べれば」。1度も首位を譲らずリーグ優勝した昨季は、追われる立場に10年ぶり優勝の重圧が重なった。今年は7月9日には首位と最大8・5ゲーム差となったが、130試合目で初めて首位に立ち、ソフトバンクとのマッチレースを制した。

 選手を信じるからこそ、苦渋の決断もあった。8月11日。不振だった不動の4番・山川を4番から外し、中村を据えた。「山川だけはずっと代えないつもりでいたが、あいつらしさが出ていなかった」。決断に1カ月以上かかった。今も山川には、4番を外した意図は伝えていない。「チームを支えていく真の4番にはまだまだということ」。無言のメッセージを込めた。打順変更後は8月11日から28勝11敗。驚異のスパートにつながった。

 采配、起用法以外の部分では選手とのコミュニケーションに腐心した。8月2日のオリックス戦で8―9と敗れた試合後の宿舎では、あえて選手と同じテーブルで食事を取った。外崎の打席での奇妙な動きがまとめられた動画を見て、大笑いした。熊代が指揮官のお面を着けて円陣で笑わせたこともあったが「グラウンドで力を発揮してくれればいい」。就任3年目で選手との距離はまた縮まった。

 開幕直前には、西武に入団から打撃指導を受けた恩師の近藤昭仁氏が死去。今月16日には社会人・日本通運時代の恩師の近藤良輔氏が80歳で死去したが「悲しんでるわけにはいかない」。17年2月1日、キャンプイン初日に86歳の父・広利さんが亡くなった時から、恩返しはグラウンドでと決めている。試合前の国旗掲揚の際に「今日も頑張るよ」と心の中で故人に祈りをささげてきた。今年も良い報告ができる。

 平成、令和にまたがる連覇を達成したが、ここが目指すゴールではない。「連覇は本当に難しいと思います。私の時代にはいっぱいしましたけどね」と笑った後にすぐに表情を引き締めた。昨年のCSファイナルステージでは、ソフトバンクに敗れ、頭を抱えて「悔しいです」と言葉を絞り出した。あんな涙はもう流さない。「さらにチームを一つにして全員で勝ち抜いて、日本シリーズに出られるように頑張ります」。昨季果たせなかったてっぺんを、信じ合える選手と獲りにいく。(武本 万里絵)

 ○…西武が平成30年の昨季と令和元年の今季、連覇を達成。プロ野球は昭和から続いているが、昭和63年と平成元年の優勝球団はセが中日→巨人、パが西武→近鉄。昨季と今季のセは広島→巨人と全て異なる球団が優勝しており、時代またぎの連覇は西武が初となった。

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