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【三宅哲夫の旅ヂカラ漫遊記】和歌山・有田川鉄道でリアル電車でGO

[ 2015年6月19日 05:30 ]

大コーフンの運転士体験。女性にも人気だ
Photo By スポニチ

 双子のパンダの赤ちゃん見たさに訪ねた和歌山県で、貴重な体験をした。有田川(ありだがわ)鉄道公園(有田川町)での鉄道車両「キハ58003」の運転士体験。わずか200メートルだが、棒状のハンドルを握っての“ガチ走行”は迫力満点。映画「ALWAYS三丁目の夕日’64」(12年)のロケでも使われた車両を駆って、ノスタルジーの世界へ発車!

 JR紀勢本線藤並駅からバスで10分。黒光りする巨大な蒸気機関車D51が目に飛び込んできた。ここが有田川鉄道公園。1915年(大4)、藤並―金屋口駅間(5・6キロ)に開業、 02年に廃止された有田鉄道を後世に伝えようと有田川町が旧金屋口駅構内を整備。10年3月にオープンした。

 有田川に面した公園内には約400メートルの線路が東西に延び、D51の展示のほか、山梨県の富士急行から譲渡された「キハ58003」などを動態保存。中央の鉄道交流館(入館料200円)には同町のジオラマが設置され、Nゲージを操作(1路線50分500円から)できるが、人気は何といっても「キハ…」の運転士体験だ。

 “国鉄キハ58系”をコピーした車両で、指導するのは有田鉄道やJRのOBで構成される有田川町鉄道保存会のメンバー。早速、前後にある運転席の一方に乗り込み、交流館前を出発。教え通り左手で前進用ハンドルを右に動かすと、車両はゆっくりと動きだした。ハンドルをさらに動かすと、力強いエンジン音とともに加速していく。

 当初は胸を張り前方を見つめる格好いい姿を想像していたが、そんな余裕はまるでなく時速10~15キロで走らせるのが精いっぱい。約200メートル先の旧金屋口駅の手前で、右手でブレーキハンドルを右に2~3度動かすと停車。ラインをややオーバーしたが、生の迫力に大興奮。同じく動態保存されている岐阜・樽見鉄道から譲渡されたレールバス「ハイモ180」も脇役でしかなかった。

 体験後は、東京五輪開催の年を舞台にした「三丁目の…」で吉岡秀隆と小雪が座ったという車内のシートに腰を下ろし作品の思い出に浸ったが、そこへ係員から運転免許証と記念証明書を渡され感動の二重奏。体験回数に応じて運転士見習から上級運転士まで4階級用意されているといい、鉄ちゃん、鉄子ならずともハマりそうだ。

 ▽行かれる方へ 車は阪和道有田ICから県道22号利用。運転士体験は19日と7月18日に実施。以外は不定期で、団体(10人程度)で申し込めば随時。料金は約200メートル2500円から。問い合わせは有田川町役場商工観光係=(電)0737(52)2111。観光全般はわかやま紀州館=(電)03(3216)8000。

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