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【橋本マナミ 恍惚のグルメ】たくましすぎて眠れな〜い マグロと生姜焼きが奇跡の合体

[ 2017年11月17日 12:00 ]

人気メニューのマグロ生姜焼き丼にゾッコンの橋本マナミ
Photo By スポニチ

 男性が大好きな料理といえば「生姜(しょうが)焼き」。当たり前のように「豚」を思い浮かべると思いますが「マグロの生姜焼き」で有名なお店が東京・六本木にあるんです。国際色豊かで移り変わりが激しい“眠らない街”で、半世紀にわたって生き残ってきた“無国籍の男味”。甘辛で独特の香りが逞(たくま)しいんです?

 国際色豊かな盛り場から、ビジネスやファッションの街としても変貌を遂げてきた六本木。その裏路地にひっそりとたたずむのが「一億」。超刊スポニチで連載中の漫画家・久住昌之さん流に言えば、ジャケット(外観)では何の店だかさっぱり分からない不思議な店。

 店内はさらなる迷宮。天井には美術誌の表紙が並んでいて、ウッディーな山小屋風に見えて実は竹で内装されている。でっかい仮面に、およそ客席とは思えない“中2階風”の空間…。怪しすぎて、表現する言葉が見当たらない。“カオスな街”で生き残ってきた逞しさが充満しています。

 いわゆるギョーカイの人たちから「六本木でランチといえば」とススメられたのが、こちらの「マグロの生姜焼き丼定食」(1000円)。薄切りのマグロを生姜で香ばしく焼いた姿は、脂身を完全に取り除いた豚ロース肉のよう。それが何枚も鉄火丼のようにどんぶり一面を埋め尽くしているのです。

 生姜としょう油で甘辛く炒められた薄切りマグロには、唐辛子と山椒(さんしょう)が振られていて、マグロ特有の香りとコク深い味わいにニンニクのパンチ感が絶妙!食感もやわらかく、女性でもごはんが進みます。豚の生姜焼きと同じく相当な“男味”なのですが、お魚ならではの“あっさり感”があり、メタボを気にされている男性諸氏や女性にもおすすめ!味噌汁、サラダ、漬物もついています。

 創業から半世紀。東京・永田町にあったホテルニュージャパンでフランス料理を学んだマスターが、欧米諸国をヒッチハイク後の1968年(昭43)にカウンター8席の定食屋「キッチン一億」を西麻布にオープン。その味は六本木界隈(かいわい)の業界人の間ですぐに広まり、市谷のCBSソニー(現ソニーミュージック)の社員食堂を手掛けることになったほど。

 六本木に移ったのは72年。最先端のクリエーターたちが集った「原宿セントラルアパート」に2号店があったそうで、マスターは「無国籍料理」と呼ばれる店の草分け的存在、レジェンドなのです。愛娘の愛さんによると、マスターは73歳になった現在も毎日河岸に出向いて食材を見分け、化学調味料を使わない“おいしくて健康的な料理”をいまも考案中です。

 ちなみに不思議な店名は、創業時の国内人口が由来。「日本中の人に食べてもらいたい」という大きな夢に加え、「1億円稼ぐデッカイ男になりたいなんて野望もあったようです(笑い)」と愛さん。彼女の明るく人懐っこい笑顔が、このお店の一番の“隠し味”です。

 ≪世界的ギタリストも“常連”大好物元祖トーフステーキ≫場所柄、外国人観光客も多く、世界的ギタリストのカルロス・サンタナ(70)は“常連”の一人。40年以上前から来日のたびに訪れており、ヘルシーな看板料理「元祖トーフステーキ」(470円)が大好物。店内には来店時の笑顔の写真も飾ってあります。カリッと焼かれた豆腐は中は熱々でなめらか。かつお節をかけて特製ポン酢でいただきます。独創的なメニューがそろっており、これからの季節は、しょう油味が香ばしい「カキめし」(980円)が人気。「タイカレー」(980円)も絶品です!

 ◇一億(いちおく) 東京都港区六本木4の4の5メゾン六本木1階。東京メトロ日比谷線、都営大江戸線六本木駅7A出口より徒歩2分。(電)03(3405)9891。1968年(昭43)創業。営業時間は月〜金曜午前11時半〜午後2時、午後6時〜同11時。土曜午後6時〜同11時。不定休。日曜祝日は臨時営業の場合もあり。

 ◆橋本 マナミ(はしもと・まなみ)1984年(昭59)8月8日、山形県生まれの33歳。出演映画「光」(監督大森立嗣)が11月25日に公開される。最新写真集「♯びちょびちょ」(講談社)好評発売中。1メートル68、B86・W60・H88。

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