藤井王将 棋王戦ベスト4初進出 豊島九段を107手で受け切る 6冠へ今後の「2敗失格制」追い風

[ 2022年10月17日 20:04 ]

豊島将之九段に勝利した藤井聡太王将(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含めて5冠=が17日、大阪・関西将棋会館で、第48期棋王戦挑戦者決定トーナメントに臨み、豊島将之九段(32)に107手で勝利した。藤井にとって今年度、獲得可能な唯一のタイトル。渡辺明棋王(38)=名人との2冠=への挑戦を目指し、ベスト4に初進出した。

 戦型は先手藤井の角換わり腰掛け銀。中盤、飛先の突破を図って、桂捨てを決行した豊島に丁寧に応接する。角香交換から手にした香を自陣へ放ち、再度飛先の突破を図った豊島にも角の重ね打ちと受けの好手を連発して突き放した。「いきなり攻めてこられたのが見えてなかった。うまく(自陣を)ほぐせればと思ったが…」。守りの要の金銀が、7筋の自王より外側の8筋へ追いやられる悪形を克服した。

 全8冠独占へ、残る3冠のうち、名人戦は挑戦権を10人総当たりで争うA級に今年度初参戦する一方、王座戦と並んで棋王戦は相性が悪かった。

 32人によるトーナメントへ勝ち進んだのが17年度のデビュー以来6年で4度目。予選敗退が2度あり、勝ち進んでも2回戦敗退が2度、3回戦敗退が1度。意外なほど上位進出できなかった。

 6冠への追い風が、棋王戦のベスト4から採用される「2敗失格制」。今後はトーナメントで敗れても敗者復活戦へ回り、優勝者は挑戦者決定2番勝負で1敗まで許される、地力が反映されやすいシステムへ移行する。準決勝では佐藤天彦九段(34)とぶつかる。「棋王戦でのベスト4は初めて。次局も集中して精一杯指せればと思う」と意欲を語った。

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2022年10月17日のニュース