楽天・マー君 吠えた!国内開幕初白星 新球場エスコンで「勝てて本当にうれしい」

[ 2023年3月31日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天3-1日本ハム ( 2023年3月30日    エスコンF )

<日・楽>5回、宇佐見を捕飛に打ち取りガッツポーズの田中将(撮影・篠原 岳夫)
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 プロ野球は30日、新球場のエスコンフィールド北海道で日本ハム―楽天の1試合が行われて開幕した。楽天・田中将大投手(34)が5回2/3を2安打1失点と好投。11年ぶり2度目となった日本での開幕戦で初勝利を挙げ、駒大苫小牧時代に過ごした北海道の新球場で初めての勝利投手になった。これで日米通算191勝目。200勝の大台へ、メモリアル白星とともにカウントダウンに入った。

 「第二の故郷」で特別な白星を挙げた。北海道は駒大苫小牧時代を過ごし、里田まい夫人の地元でもある。「縁のある北海道の一発目で勝てて本当にうれしい」と声を弾ませた。

 独特の雰囲気の中、アドレナリン全開で腕を振った。5回1死まで完全投球。初安打となった清宮の右中間二塁打から一、二塁のピンチを招いたが、ここでギアを上げた。万波を空振り三振、宇佐見を捕邪飛。マウンド上で拳を握り2度、大きく吠えた。「声出し応援があるということで、その熱気にも押されて自分の感情が爆発しましたね」。コロナ禍を経て4年ぶりに声出し応援が解禁。完全アウェーの逆境をも力に変えた。

 百戦錬磨の右腕は「僕には経験があるので」と胸を張った。日米通算17年目で45球場目(日本19、米国24、カナダ1、英国1)のマウンド。新球場に似ているといわれる、WBC準決勝、決勝の舞台ローンデポ・パークでもヤンキース時代に2試合、投げたことがある。3点リードの6回、野村の中犠飛で1点を失って降板。後続を断った鈴木翔ら救援陣も無失点でつなぎ、5回2/3を98球、2安打1失点で新球場初の勝利投手となった。

 どうしても白星を届けたかった。愛するまい夫人は前日が39歳の誕生日だった。この日は家族全員が応援に駆けつけ、目の前で今季初勝利という最高のプレゼントを届けた。「もちろんうれしいですよ。今日は家族で来ていたんで。僕よりゆかりがあるでしょ。(北海道は)出身地だから」。戦いを終えた右腕は家族思いのパパの顔に戻っていた。

 WBCで侍ジャパンが世界一を奪還し、野球熱の高まりを肌で感じながら大一番のマウンドに上がった。「プロ野球選手として盛り上がっていることはうれしい状況」。全国の野球ファンが注目する大一番で誰よりも早く1勝を挙げ「最高です。これ以上ない」と喜びをかみしめた。日米通算200勝まで残り9勝。特別な191勝目を弾みに、大記録への歩みを加速させる。(重光 晋太郎)

 ≪米→日は初≫田中将(楽)が日米通算6度目の開幕投手を務めたが、勝ったのはヤンキース時代の19年以来2度目。日本では12年(対ロッテ、敗戦投手)以来2度目の大役で初の勝利投手になった。日米で開幕投手として勝利は、野茂英雄が93年近鉄、00年タイガース、03年ドジャース、黒田博樹が03、05、07年広島、09年ドジャースでマークして以来3人目。メジャー→日本の順は田中将が初めてだ。なお、大谷(エンゼルス)は日本ハム時代の15年に開幕投手で勝っており、31日の試合でも勝てば4人目となるがどうか。

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2023年3月31日のニュース